2015 Fiscal Year Annual Research Report
サイバーフィジカルシステムにおける制御とスケジューリングの協調設計
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24360164
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
潮 俊光 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (30184998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝本 隆 北九州工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60581220)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 制御工学 / システム工学 / サイバーフィジカルシステム / 事象駆動型制御 / 強化学習 / 操作支援システム |
Outline of Annual Research Achievements |
サイバーフィジカルシステムにおいて,ネットワークを用いたデータ転送で発生するネットワーク遅延を考慮した制御系設計に関する理論的研究テーマと無人飛行体(UAV)の飛行支援システム設計への応用を中心に3つの研究成果を得た. (1)ネットワーク遅延の不確かさのもとで,強化学習を用いた最適制御器の構成方法を提案した.物理的に離れたセンサからの送信される出力データのネットワーク遅延は異なり,最大遅れ時間は既知であるが,実際の遅れは未知である場合を考えた.遅れた出力データ列から状態を求める公式を求めた.遅延のある出力データから最適制御入力を学習する方法を開発した.最適制御入力を学習していることをシミュレーションによって確認した. (2)センサ,アクチュエータが物理的に分散している大規模システムを対象に,ネットワークでのデータの伝送頻度を軽減するために,事象駆動型オブザーバを用いた出力制御系設計法を提案した.クラウドのような計算資源が十分にある計算機システムに各センサからの出力データは事象駆動型で送信される.計算機システムでは,そのセンサデータをもとに制御対象の状態を推定し,事象駆動型で各アクチュエータに送信する.各アクチュエータは推定状態の更新データを受け取ると制御入力を更新する.このような事象駆動型制御系において,システム全体が安定となるような各事象駆動条件を導出した.さらに,シミュレーションによって,データの送信状況と制御性能を検討した. (3)複数のUAVを一人の操作者によって操作するときの,支援システムを開発した.支援システムがクラウド上に構成することを想定したシステムアーキテクチャーを提案し,その実装を行った,2機のUAVを使った実内実験を行い,支援システムの評価を行った. また,UAVの姿勢制御法の提案および編隊飛行させるためのシステム構築を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論的研究については,当初の計画通りに進み,強化学習を用いたネットワーク化制御系の設計法を提案した.また,ネットワーク資源の有効利用を目的とした集中型オブザーバを用いた分散事象駆動型出力フィードバック系の設計法も提案し,いずれの設計法もシミュレーションにより所望の性能を得ていることを確認した.複数のUAVの飛行を支援するシステムの基礎的な機能は実装することができたが,一部の機能ついては,今後実装する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,本研究課題の最終年度である,今までの研究成果をまとめるとともに,さらに制御性能の向上を実現する制御系の設計法を開発していく.また,操作者が誤った操作をしないような操作支援のためのモデルベーストなユーザインタフェースの設計についてもさらに検討する予定である.
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Causes of Carryover |
年度の後半に得られた研究成果を発表する研究会が平成28年度に開催される,その出張旅費が未使用額として生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果の発表のための出張旅費,参加費などに充当する.また,最新の研究資料の収集,UAVの操作支援システムの実装に必要となる消耗品の購入にも充てる.
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Research Products
(14 results)