2012 Fiscal Year Annual Research Report
離散スライディングモードに基づく非線形システムの適応制御とエンジン制御への応用
Project/Area Number |
24360166
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
古田 勝久 東京電機大学, 教授 (10016454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 潤 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (10453797)
釜道 紀浩 東京電機大学, 未来科学部, 准教授 (70435642)
山北 昌毅 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (30220247)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非線形制御 / 適応制御 / 離散システム / スライディングモード / エンジン制御 / シミュレータ |
Research Abstract |
本課題では、特性が変化する非線形システムに対して、モデルベースでコンピュータ制御する方法、すなわち、離散的に適応制御する方法を確立することを目的としている。具体的には、入出力に依存したARX(Auto-Regressive eXogenous)で表現された多変数システムに対して、制御則のパラメータを推定しながら、出力を目標値に追従させる直接型の非線形適応制御系の設計法を、離散スライディングモード制御に基づき確立することを目指している。さらに、性能評価を含めた設計手法の確立を目指すとともに、エンジン制御問題などの実問題への適用を検討している。 本年度は、これまでに提案してきたスライディングモード制御とセルフチューニング型適応制御の設計法、ならびに、それら理論の多変数系への拡張を検討した。また、エンジン制御への適用を視野に入れ、直動モータ(スライダ)とクランクシャフトから構成される簡易的な実験機を設計・製作し、そのリアルタイム制御実験システムを構築した。多気筒(多入力)モデルに拡張可能な実機モデルを設計しているが、本年度は1気筒分のみを製作し、実験により回転動作を確認した。さらに、セルフチューニングコントローラに対する観測ノイズの影響を軽減するために、突発的なノイズ(アウトライヤー)があった場合のフィルタリングについて基礎的な検討を行った。システムとノイズのパラメータが既知の場合について良好な結果が得られており、今後パラメータが未知の場合に拡張予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は理論検証・拡張とともに、実験システムの構築を計画していたが、おおむね予定通りに進行している。実験システムの構築では、改良は必要であるが、回転動作が実現され、次年度以降の実機による理論検証のための環境が構築できた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの計画通り、提案している理論の多変数系への拡張、設計法の検討を進めるとともに、実機検証を行う。 実験環境においては、多入力システムへの拡張を行うとともに、エンジン制御を視野に入れて、ソフトウェア上の内燃系モデルとハードウェア上の機械モデルを組み合わせた統合型エンジンシミュレータ環境を構築する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、実験機を外注せずに設計・製作したために、計画よりも支出が抑えられた。また、研究発表の旅費にも残額が生じた。次年度は、繰り越し分については、実験機の改良・拡張のための物品費や、研究発表のための旅費等に当てる計画である。
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