2014 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスケール非破壊検査法の提案-逆均質化法の新導入
Project/Area Number |
24360175
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
京谷 孝史 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00186347)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 準治 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00594087)
中畑 和之 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (20380256)
寺田 賢二郎 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (40282678)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 非破壊検査法 / 波動伝搬解析 / マルチスケール解析 / トポロジー最適化 / 逆均質化法 |
Outline of Annual Research Achievements |
トンネルや橋梁などの土木構造物に内在する材料亀裂や劣化・損傷は、構造物のもつ性能を著しく低下させる要因となることから、それらを早期に発見するための非破壊検査法の開発が盛んに進められている。 しかし、土木構造物に用いられる従来型の非破壊検査法すでに大きく進展した亀裂の場所等を推定することは可能であるが、本来最も重要な材料の強度低下を誘発する微細亀裂(マイクロクラック)の計測やミクロ領域における材料の劣化・損傷程度を評価することはできない。そのため、本研究は逆均質化法トポロジー最適化という新しい数理的アプローチによって、微細亀裂の幾何学的配置や劣化・損傷したミクロ構造の物理定数を同定できるマルチスケールトポロジー最適化のプログラムを完成させた。ここでの最適化プログラムについては、加藤がこれまでに作成したものをベースとしている。また、目的関数の感度の導出については、その精度を担保にするための解析的手法を開発した。具体の数値計算例としては、周期境界を有するミクロ構造を有限要素法でモデル化した。これにより、基礎的段階のトポロジーを得ることに成功した。なお、現在は計算時間を短縮するためにプログラミングを効率化しており、概ねその作業が完了した。なお,当初予定していた動弾性有限積分法(EFIT)による波動伝搬解析を使った亀裂分布の同定よりも有限要素法を用いた方が,安定かつ精度よく解が得られることがわかったため,有限要素法を基本としたアルゴリズムの開発を押し進めた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
逆均質化法トポロジー最適化の複雑なアルゴリズムを検証をしやすくするための作業として有限差分法(FDM)による感度を別途導出し、それと比較する作業も完了した。当初の予定であった、EFITを用いたひび割れトポロジーの同定よりも、有限要素法を用いたものの方が現実的かつ安定的に精度のよい結果が得られることが H25年度に把握され,H26年度には理論的に確実なものとなった。これらの背景より、当初の計画案よりも,精度の高い結果を得られるようになったことから順調に進展しているものと認識している。
|
Strategy for Future Research Activity |
有限要素法ベースでのものの方がより確かな結果が得られることがわかったため,平成27年度はそれを基本とした研究計画に従う.具体的にはミクロ構造に変形を与えてミクロ構造をマクロ構造の挙動を個別に解く、有限要素法を基本として分離型マルチスケール解析の導入することで考えている。ここでは、寺田と加藤の分離型マルチスケールにおける豊富な知見を活かして、これらの問題に対する適切な手法の確立を目指す。 ところで,参考となる Sigmund らの研究成果では,最適解を求めるアルゴリズムに難があることが事前のレビューでわかっている.そのため,本研究では,より安定的に解を得られる同定アルゴリズムを新たに採用する. また,本研究では,目的関数と制約関数を入れ替えた形の最適化問題の定式化を行う.これにより,所与の異方性マクロ材料に対し,かなり精度よく同定できるものと考えられる.
|
Research Products
(3 results)