2013 Fiscal Year Annual Research Report
地盤構造物の実用的な信頼性設計法の開発と地盤調査の最適化
Project/Area Number |
24360190
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
本城 勇介 岐阜大学, 工学部, 教授 (10251852)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 信頼性解析 / 統計解析 / 基礎構造物 / 地盤調査 / 土構造物 / 設計基準 |
Research Abstract |
課題1 局所平均値を取る地盤の体積の決定法: H.24年度に確立した局所平均を用いた,空間のバラツキの影響評価と統計的推定誤差評価の理論を,いろいろな構造物への適用を図っている.なお,この理論の根幹をなす本城・大竹・加藤(2012)の土木学会論文集の論文は,H.25年度土木学会論文賞(C地圏工学分野)に内定した. 課題2 河川堤防の浸透破壊: ある一級河川の堤防20kmに渡る調査および約20箇所の河川断面についての堤防設計データを入手し,整理した.浸透解析,堤体の安定解析を実施し,各断面における信頼性評価方法を行った.特に液状化危険度解析については,この河川の他に,北関東で東日本大震災で大きな液状化被害を受けた河川20kmについても解析し,同様の手法で解析・発表した(Otake,Honjo & Hiramatsu,2013; 大竹他,2014). 課題3 軟弱地盤の多段階掘削: 掘り込み式の高速道路建設の山留設計問題を取り上げ,本スキームの適用性を検討,有効であることを実証した.特に土層厚の不確実性を評価する方法を確立した.この結果を発表(Honjo他,2013),別の大型掘削現場からのデータも提供され,解析を続行する. 課題4 道路橋基礎への適用: 浅い基礎と杭基礎構造物を具体的に取り上げ,それらと調査地点を考慮した信頼性解析を実施し,本スキームの適用性を確認した.さらにこれらの構造物の設計に関する変換誤差とモデル化誤差に関する情報を論文にまとめ,土木学会論文集に掲載(大竹・本城,2014a,2014b)した.これら例題と情報を含む著書を執筆中で,H.26年度中の発行を目指している. 課題5 地盤調査の位置と数の関係の定量的把握は継続中,最終年度の課題とする.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
課題1 局所平均値を取る地盤の体積の決定法: この理論の根幹をなす本城・大竹・加藤(2012)の土木学会論文集の論文は,H.25年度土木学会論文賞(C地圏工学分野)に内定した.また,H.24年3月に,国立台湾大学,鋼構造物研究シンポジウム主題講演等をこの成果に基づき行い好評を得た.既に土木学会論文集で5編の論文を刊行しており達成度は非常に高い. 課題2 河川堤防の浸透破壊:中部地方一級河川20kmについて膨大なデータの処理を終え,また解析も順調に推移している.既発表の論文もある.(Otake,Honjo and Hiramatsu,2013; 大竹他,2014).最終年度は公表できる成果が多数出る予定.達成度はかなり高い. 課題3 軟弱地盤の多段階掘削: すでに成果を発表(Honjo他,2013),この結果,別の大型掘削現場からのデータも提供され,解析を続行する.達成度良好. 課題4 道路橋基礎への適用: 土木学会論文集に成果を掲載(大竹・本城,2014a, 2014b) した.これら例題と情報を含む著書を執筆中で,H.26年度中の発行を目指している.達成度は良好.課題5 地盤調査の位置と数の関係の定量的把握:基本理論は既に課題1で確立している.適切な例題を作成し,実証する必要がある.最終年度の課題とする.達成度は現段階では低い.
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Strategy for Future Research Activity |
課題1 局所平均値を取る地盤の体積の決定法:順調に推移しており,最終成果を執筆中の著書にまとめることが,最終年度の課題である. 課題2 河川堤防の浸透破壊:上記のように順調に推移している.国土省水管理・国土保全局との打ち合わせの場もあるので,成果を着実に河川行政に生かせるようにプレゼンテーションすることが課題である. 課題3 軟弱地盤の多段階掘削:順調に推移しているので,新しく入手したデータも取り入れ,成果をまとめる. . 課題4 道路橋基礎への適用: 順調に推移しているので,成果を体系的に執筆中の著書に取り入れる. 課題5 地盤調査の位置と数の関係の定量的把握:基本理論は既に課題1で確立している.適切な例題を作成し,実証する必要がある.最終年度の課題とする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究担当者と経理担当者の若干の連絡の不備で,研究担当者は全額使い切ったと考えたいた.未使用額は5千円未満の比較的少額であり,次年度の予算に加算して使用する. 消耗品購入費の一部とする.
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