2012 Fiscal Year Annual Research Report
高レベル核廃棄物地層処分に関わる自然バリアの長期安定性の定量的評価手法の確立
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24360191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
張 鋒 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70303691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ホサイン モハマド・シャヒン 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00516495)
小山 倫史 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20467450)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 熱弾粘塑性構成式 / 三軸圧縮・クリープ試験 / THM解析 / トンネルクリープ破壊 / モデル試験 |
Research Abstract |
平成24年度において、体積軟岩のひずみ軟化、クリープ特性、温度の影響を調べるために、既存のPCによる温度・応力制御可能の三軸圧縮-クリープ試験機の機能を一部強化して要素試験を実施した。 要素試験に用いられた堆積軟岩は栃木県宇都宮市大谷町で採集された、大谷石と呼ばれる多孔質凝灰岩である。大谷石は密度が小さく(ρ=250)、間隙比が大きく(ε=0.44)、石質がやわらかいため加工がしやすい。試料の力学特性の均一性と加工しやすさから、再現性のある実験に適している。 試験は下記の条件で行われた:温度:20℃~80℃;セール圧:0-5,1.0MPa。本実験により、堆積軟岩の典型的な力学特性であるひずみ軟化、ひずみ速さ効果、クリープおよび温度依存性などを定徽的に把握することができた。 また、新しい熱弾粘塑性構成式も提案した。この構成式は練り返し正規圧密粘土に適したカムクレーモデルをベースに、関連流れ則を用い、ひずみ軟化現象を下負荷面の概念で表現した。時間依存性と温度依存性は密度変化の発展則に時間と温度の影響を定式化することにより表現している。提案モデルは非平衡熱力学の第一、第二定理を満足している。従来の弾粘塑性モデルに比べ、線膨張率の1個のパラメータを増やしただけで、堆積軟岩のひずみ軟化、時間依存性、温度効果を統一的に説明することができる。 一方、この新しいひずみ軟化型熱弾粘塑性構成式に基づいた水・土連成有限変形FEM解析手法も開発している。熱も考慮できるTHM解析手法の完成に向けて開発も順調に進んでいる。解析の要素レベルでの検証がすでに完了した。残りの作業はH25年度に予定している熱環境下のトンネルクリープ破壊のモデル試験より、解析手法の有効性と数値計算の精度を検証するのみとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定どおり研究成果が上がっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進んでおり、予定どおり進めていきたいと考えております。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
モデル実験については、制作の遅れにより、予算の執行が少し遅れているが、駐25年度にその遅れが取り戻すことができる。
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Research Products
(5 results)