2013 Fiscal Year Annual Research Report
マルチ・スケール空間における都市・産業の階層的集積原理
Project/Area Number |
24360202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤松 隆 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (90262964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 清宏 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50168126)
石倉 智樹 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (30356050)
高山 雄貴 愛媛大学, 理工学研究科, 助教 (90612648)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 集積経済 / 人口移動 / 企業立地 / 分岐解析 / マルチ・スケール / 階層原理 / CGE モデル / パターン形成 |
Research Abstract |
経済活動の空間的集積現象には,i) 様々な空間スケールでの立地集積から成る「階層的な空間構造」が形成され,ii) 規模の大きな都市ほど多種類の産業が集積する,という2 つの規則性が頑健に成立している.本研究の第一の目的は,これらの規則性が創発するメカニズムを統一的に説明しうる理論を構築することである.より具体的には,“local” な市場圏を持つ産業と “global” な市場圏を持つ産業の空間的不完全競争が行われるマルチ・スケール空間経済モデルを開発する.このモデルでは,空間周波数の異なる集積力と分散力の相互作用によって,交通・通信技術/労働人口等の変化に応じた解の分岐が生じる.その分岐現象の理論解析により,マルチ・スケール空間全体を通じて現れる多様な空間集積パターンの生成特性を明らかにする.本研究の第二の目的は,上記理論モデルを基礎として,現実空間に適用可能なCGEモデルを開発することである.より具体的には,集積経済効果とマルチ・スケール空間を導入したCGE モデルとその数値解析法を構築し,現実的問題への適用計算を通じて,理論との整合性や実用性を検証する. H25年度の研究では,第一の目的に関しては,まず,H24年度に開発した Global-Local 構造を持つ多産業モデルに対して,都市間交易条件が集積状態に応じて内生的に決まる条件を導入したモデルを定式化した.そして,1 次元対称空間において,上記モデルの均衡解の分岐パターン(特に「階層的空間構造の形成」)の創発・進展条件を整理した.第二の目的に関しては,集積経済効果を導入したマルチ・スケール(国際-地域間および地域間-地域内) SCGEモデルの入力データとして必要とされる地域間I/O データ,国際I/Oデータ等を系統的に整理したデータ・ベースを作成し,モデル・キャリブレーション法を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的および研究実施方法に記した H25年度の研究予定事項に関して,実際に成果が得られ,その成果を学会での研究発表および学術専門誌掲載の研究論文として公開している.
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度の研究の進展状況は順調であり,H26年度も当初の研究計画に沿って研究課題を遂行する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度の研究で実施したシミュレーション実験が,現有の計算機のみで実行できたため,H25期初に予定していた計算機の購入を先延ばしした.また,理論解析の工夫により,計算補助作業をH25期初に予定していたよりも大幅に減らすことができたため,H25期初に予定していた謝金を削減できた. H26年度の研究では大規模な数値実験が必要となるため,H25年度に購入を先延ばしした高速計算機の購入,および,計算補助のための謝金に,繰越金を充当する予定である.
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