2013 Fiscal Year Annual Research Report
ひび割れ修復機能を持つ超長寿命コンクリート系複合材料及び構造システムの開拓と展開
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24360226
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒木 慶一 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50324653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SANJAY PAREEK 日本大学, 工学部, 准教授 (20287593)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 超長寿命 / ひび割れ修復 / コンクリート / セメント |
Research Abstract |
近年,RC構造物への適切な補修を施す維持管理体制が確立しつつあるが,既存RC構造物の維持管理は大きな負担を伴うため,全ての構造物に対してこれを実地することは困難である。この様な背景から構造物の長寿命化や自己修復機能を付与させる研究が注目されるようになって来た。本研究では,RC梁部材に補修材の充填孔のネットワークを設け,主筋の一部に超弾性合金(SEA)を用いることで,変形回復及びひび割れ閉塞に加えて,高い強度回復率に期待できる部材の開発を行う。 超弾性合金の曲げ性状が及ぼす自己修復機能の動向について検討を行うため,超弾性合金を主筋に代替したRC梁部材(SEA)と従来配筋のRC梁部材(SD)を用いて3回繰り返し曲げ試験を行った。その結果,SEAが持つ形状回復効果がRC梁部材の変形能力に影響を及ぼすことを示した.また,SEAを用いることで繰り返し載荷時の閉塞率の低下が抑制されることを確認した。しかし,超弾性合金を用いたRC梁部材の塑性履歴エネルギー吸収能力は,繰り返し載荷によって低下する傾向を示した。そこで,超弾性合金に掛かる負荷を分散させるため,付着を取り除いて主筋に代替する工法に着目し実験を行った。その結果,付着を取り除いたSEA-NではSEAより残留変形を抑制することが可能であり,ひび割れの閉塞率が上昇していることを示した。超弾性合金の付着を取り除くことにより,主筋に掛かる負荷が分散され,パフォーマンスの低下を抑えたと考えられる。また,自己修復ネットワークシステムの修復による強度回復率の向上も示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超弾性合金を用いた自己修復コンクリートにひび割れが発生した際,除荷後のひび割れ閉塞及び形状回復効果が高く,自己修復ネットワークによる自己修復機能の向上を図ることが可能であることを実験により実証できた。さらに,超弾性合金の付着を取り除くことで,載荷時に掛かる負荷を分散させ,疲労特性を軽減させられることが実証できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ひび割れ検出器及びチューブポンプを用いた,本自己修復ネットワークシステムの完全自動化を目的とした研究を行う。今後は,自己修復ネットワークの実用化に向け,自己修復システムの完全自動化を目標とする。そのためには, ひび割れ検出器による補修材の充填条件の確定が必須であり,主筋の形状や載荷のパターンによる条件設定を今後の研究課題とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初,実施予定であった接合部実験を次年度に繰り越したため. 接合部実験の物品費として使用の予定.
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