2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24360230
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小檜山 雅之 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (10333577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 正樹 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (10398638)
西 宏章 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (00365470)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 構造制御 / リスク評価 / 協調制御 / 地震防災 / 性能設計 |
Research Abstract |
本研究は,建物の制振装置と建物内の機器の制振装置を協調的に動作させる効果的な手法の提案を目的としている。建物の制振装置は建物の応答抑制と同時に機器の損傷を防ぐ制御を行うことが可能であり,また,機器の制振装置も建物の制振装置の制御に関する情報を踏まえて制御することで制御性能を飛躍的に向上させることが期待できる。 2013年度では,建物内に制振装置を持つ複数の機器が導入されたときの機能維持のための合理的な制御方法に関して,構造系・制御系の設計法の理論の構築を行った。 まず,地震ハザード曲線と建物フラジリティ曲線を用いて評価した地震時の機能停止確率(機能停止事象の発生確率)をもとに,制御系の設計を行う手法を定式化した。複数階の免震床上に設置されたコンピュータサーバーを有するデータセンターを事例に数値解析を行い,構築した設計法を用いることで機能停止確率が低い制御系のパラメータを少ない計算負荷で求めることができるのを確認した。 次に,メタ制御理論に関して,協調制御の研究担当者と連携して,既往のゲインスケジューリングとは異なる,センサの信頼度パラメータとLQG制御理論に基づく新たな故障補償制御法の定式化を行った。そして,シミュレーション解析により提案手法の有効性を確認した。 また,通信システムの研究担当者と連携して,センサネットワークが故障した場合の提案手法の有効性を震動台実験により確認するため,通信故障のモデルを実験に実装する方法について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
通信障害時の協調制御に関する震動台実験の実施については遅れているが、構造系・制御系の設計法の理論構築については計画以上の研究の進捗が見られ、全体としては順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画どおり、実験・解析の両面の研究を研究協力者と連携して実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試験体の仕様決定・設計が計画より遅れており、材料や製作加工の発注にいたらなかったため。 当初計画どおり、試験体製作のための費用に充当する。
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