2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24360234
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00142240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大岡 龍三 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90251470)
樋山 恭助 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (10533664)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 流体工学 / 流体 / 抗力 |
Research Abstract |
本研究の目的は、有害危険物質による健康被害の可能性を、居住空間のスケールから都市空間規模のスケールまでにおいて横断的にかつ一貫的に評価する手法を構築することである。 申請者は、流れ場の一特性である乱流状態が空気の混合促進作用を持つことに着目する。時間定常な空気環境にて障害物が移動する場合、障害物境界における流の剥離により交流が乱流遷移する。申請者はこの現象が、障害物が空気へ及ぼす仕事率(もしくは仮想的な仕事率)が、ほぼ等しく乱流へのエネルギー注入に費やされるという観点にのっとって乱流場を評価する。ここでいう障害物は歩行する人体や都市空間内の建物のことを支持しており、仕事率とは(人体の歩行速度×抗力)や、もしくは(周辺空気の速度×建築にかかる抗力)である。後者の場合は建物が静止しており、気流場が平均速度を持ち接近するため、実際には建物が気流へ仕事を行うわけではないものの、仮想的な仕事率を上述のように考えることで関係式を組み立てる。 平成25年度は数値解析による仮説の理論的考察および定式化に取り組んだ。数値解析により実験データとの整合性を確認した。障害物の仕事率と乱流エネルギー生産及び散逸の関係性を定式化する、また既往の乱流生産と既往の研究で明らかにされている換気効率との間の定量的な関係を構築し、流れ場のスケーリングの手法を確立することを目標とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数値解析による流れ場のスケールと空間スケールに関してパラメトリックスタディを行った。定常的な物質発生条件における気流及び濃度の計算を行った。前年度に得られた実験結果により、計算精度を検証した。数値解析は高精度な解放であるLarge Eddy Simulationを行い、流れ場及び濃度場の詳細な機構を把握した。
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Strategy for Future Research Activity |
実スケールでの現象を解析対象として、提案したマクロパラメターと換気効率指標の関係性を検証する。検討は屋内外のいずれに関しても行う。都市風環境においては実在都市空間の気流解析を行う。また、人体の室内における活動を想定した人体の動きを含めた数値解析を行う。計算はReynolds Average Numerical Simulation(RANS)を用いて行う。Step.3にに比べると簡易な数値解析手法であるため、人の動きを計算に取り入れやすくなる。屋内外のいずれのケースに関しても以下のプロセスを実行する。 まず、乱れの生産に関するマクロモデルの有効性が、実在の複雑地形や人体が違う場合にも妥当性を損なわないことを確認する。次にマクロモデルから見積もられる乱流生産を用いて、前年度にて構築した流れ場のスケールを算出し、空間の特性を評価する。構築した環境評価プロセスが実現象において十分に感度を持つことを確認する。 作成した手法が一般性を有するように、仕様プロセスをまとめ広く応用に資するようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に掲げた目標に関する研究の成果をまとめている。 数値解析に必要な環境に使用。 研究内容の発表に使用。
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Research Products
(2 results)