2013 Fiscal Year Annual Research Report
浸水に伴う室内環境と健康への影響解明及び被害低減方策に関する研究
Project/Area Number |
24360243
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
大澤 元毅 国立保健医療科学院, -, 統括研究官 (20356009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 宇 工学院大学, 建築学部, 教授 (50370945)
鍵 直樹 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (20345383)
東 賢一 近畿大学, 医学部, 講師 (80469246)
長谷川 兼一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (50293494)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 住宅環境 / 水害 / 室内空気環境 / 健康影響 / ダンプネス |
Research Abstract |
地球温暖化に伴う気候激化や治水力の限界から,各地で洪水(浸水)災害が頻発し,それに伴って住宅においても居住環境の被害の深刻化と健康影響の増加が懸念されている。一方,我国では省エネ性・居住性や耐震性の改善をめざした工法・設備・建材技術の革新が進み,断熱気密性をはじめとする諸性能は,目覚ましい進歩を続けている。しかし,これら技術革新や設計配慮は必ずしも防災を意図したものでなく,水害等の非常時には却って様々な被害を招く懸念が申請者らの調査研究により明らかになった。 本研究は,水害対策に係る技術動向,浸水時及びその後に生じる居住環境上の被害と居住者への健康影響について蓄積した知見を活用して,被害・健康影響メカニズムと関連する建築技術の影響を,実態調査と実験研究により明らかにし,評価と対策方法について提案を行うことを目的とする。 実態調査については,水害にあった居住環境の調査及び居住者への健康に関するアンケート調査を行うことで,水害後の環境及び健康に関する状況の把握を行う。また,実験研究においては,モデル住宅を対象に基礎部分を浸水させ,その後の基礎及び室内の環境の変化及び基礎における湿気の変化をモニタリングすることで,湿気発生モデルの構築を目指す。更に,これらの知見から対策方法の提案を行うものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度行った水害被害建物の実態調査において,水害直後の環境調査を行ったが,その後冬期にかけての中期的な測定を行い,データの収集を行うことができた。実態調査については,毎年の水害被害状況によるため,対象住宅を確保するのが困難ではあるが,被害の状況をみながら,実行している状況である。また,モデル住宅において,基礎での浸水実験を実施し,その後の床下及び室内環境において温湿度や空気質のモニタリングを行い,床下温湿度環境の水分収支などについて検討を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
実態調査については,引き続き,夏期の水害被害状況をみながら,室内環境の実測及び居住者へのアンケート調査の実施の準備を行い,実行する。また,実験研究においては,浸水させた実験住宅の中期的な床下及び室内環境のモニタリングを行い,基礎的なデータの収集を進める。更に,湿気移動モデルを作成し,基礎から床下,室内環境への湿気移送に関して解析し,そのメカニズムについて検討を行う。更に対策・評価技術の提案を目標に,床下・室内環境を改善する手法について,検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の実態調査として計画した件数に満たなかったため,その分の経費が計画よりも低くなった。また,浸水実験後の環境調査においても,開始が遅れたため,年度をまたいでの環境測定となったため,その分の経費も計画よりも低くなったことが要因である。 実態調査については,計画通り実行できるように準備を進め,浸水住宅の調査を行うこととする。更に,モデル住宅での実験を引き続き進め,解析モデルとの整合性について検討を行う。
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Research Products
(3 results)