2012 Fiscal Year Annual Research Report
伝統文化継承装置としての花街建築および景観の全国的実態と地域特性
Project/Area Number |
24360246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岡崎 篤行 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10281247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 修 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (20137128)
澤村 明 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40334643)
井上 えり子 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (70226736)
井上 年和 (財)建築研究協会, 日本建築研究室, 主席研究員 (00505688)
野澤 康 工学院大学, 建築学部, 教授 (00251348)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 景観・環境計画 / 建築史 / 都市計画 / 市民活動 / 観光 |
Research Abstract |
各事例において、花街の形成・変容、花街建築の特性(文化財的価値)、花街建築の残存状況及び景観特性、花街の景観保全・住環境保全に係る計画課題、市民活動による花街の維持・継承、花街のプロモーション・地域活性化の6つの研究課題に取り組んだ。具体的には次の通り。 1.京都:江戸期における北野社境内の茶屋に関する都市史研究をおこなった。また、上七軒の茶屋建築の実測調査をおこなった。 2.新潟:路地空間と妻入主体の家屋構成との関係性に着目しつつ、花街建築14件の実測調査をおこない、古町の花街建築と都市空間の特異性を明らかにした。 3.金沢:三茶屋街を対象に、花街における景観保全及び地域振興の経緯を整理した。また、東茶屋街については、建築物の修理・修景事業の実施状況と建築物の用途及び利用主体の変化との関連分析を行い、町並み観光地化の進行過程における町並み保存の進展プロセスを明らかにした。 4.山形:山形市七日町、酒田市今町における花街建築の残存状況と外観特性に関する調査をおこなった。また、鶴岡市中心市街地の旧花街地区にある、旧料亭の歴史的建築物としての保全・活用方法について、地元活動者や、他の物件で同様の取り組みを行っている組織の関係者にヒアリングをおこない、検討した。 5.福井:小浜市の元茶屋建築の実測調査をおこない、基本的な間取りの構成は京都の花街と共通し、一般的な町家とも共通点が多いこと、外観は2階開口部に特徴がみられることが明らかになった。 6.八王子:中町を対象として、まちづくり活動への参画を通して、花街文化を活かした中心市街地の将来像のあり方を検討し、将来計画策定のための基礎情報の整理をおこなった。 また、京都、東京、金沢、新潟を対象として、花街における保全施策の現状及び整備のプロセスを整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各研究者が、自分の専門分野に応じ、担当事例の調査・考察に当たっている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の全国実態・地域特性の整理に向け、事例として新たに、清水(静岡県)、長崎を加える予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の成果報告会にやむを得ず参加できなかった研究者らに、旅費相当の助成金残額が生じている場合がある。 次年度は中間報告会的な位置づけの会合も実施することで、今年度分をフォローする予定である。
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Research Products
(9 results)