2013 Fiscal Year Annual Research Report
まちづくり自主財源としての固定資産税収確保を目指した都市計画手法の検討
Project/Area Number |
24360247
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
樋口 秀 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (90293258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中出 文平 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10172347)
松川 寿也 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (60444189)
倉橋 透 獨協大学, 経済学部, 教授 (50272802)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 固定資産税 / 課税評価額 / 区域区分制度 |
Research Abstract |
本研究は、今後の人口減、特に生産年齢人口の減少による宅地需要の減退と税収減までも念頭に置き、多様な地方都市での都市計画に必要な投資的経費の確保として自治体の主要な独自財源である固定資産税に着目し、市街地整備と建築活動の誘導による今後の都市計画手法にその安定確保の視点を加えた検討を行うことを目的としている。 今年度は、固定資産税収の3時点変化、宅地面積、建築延べ面積の増減、土地の課税評価額の増減額と増減率の関係から求めた課税評価減少地区、増加地区抽出を踏まえて、長岡市、松本市、上田市、沼津市で現地調査を行うと共に、固定資産税担当課ならびに都市計画担当課に対してヒアリング調査を実施した。 松本市の庄内地区(増加地区)は、郊外部で積極的な都市開発が実施されており、土地区画整理事業の実施・終了に伴い、商業店舗、住宅の立地が進み、評価額の増加が見られた。一方、中央地区(減少地区)では、土地区画整理事業と2箇所の再開発事業が実施済みであるが、それら以外の動きが少なく、評価額が急激に減少していた。両者を単位面積あたりの評価額で比較すると、前者は後者に比べて明らかに小さく、税収面から見た開発の誘導に対する課題が明らかとなった。この傾向は、長岡市でも同様に確認された。一方、沼津市は郊外部での開発以上に駅周辺での開発が進んでおり、課税評価額の増減が小さいことが明らかとなった。以上の結果を、長岡市については建築学会で研究発表すると共に、区域区分実施4市については都市計画学会論文(査読付)に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象7市の固定資産税データ分析及び、旧市人口、都市計画関連データをとりまとめると共に、4市に対して現地調査、行政担当課にヒアリングを実施することができた。次年度は、非線引き3市の現地調査、行政担当課にヒアリング調査を実施するとともに、最終年度のとりまとめに向けた体勢を整えることが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
区域区分実施(線引き)4市については、同一の制度下での運用により、税収の変化に違いが見られた。課税評価額の増減地区の分析からは、この原因として課税宅地供給、用途別建物立地が影響していることが明らかとなった。この結果を市域全域での分析に展開すると共に、共同研究者との協議を行い、税収を考慮した市街地整備と建物立地誘導策を検討する。また、非線引き3市に対しては、現地調査・ヒアリングを行い、税収の安定化策に加えて郊外部の土地利用コントロール手法を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査日程の関係から、区域区分実施の高知市での現地調査、ヒアリング調査を次年度に変更すると共に、上田市の調査を前倒して実施したため、交通費、宿泊費について差額が生じた。 変更した予定通り、高知市を加えた上で、沖縄市、伊勢市での現地調査、ヒアリング調査を行うと共に、沼津市については再度ヒアリング調査を実施し、課税評価額確保に向けた検討を実施する。
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Research Products
(2 results)