2012 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化金属ナノ粒子膜へのレーザー光照射によるナノテクスチャ形成と表面機能化
Project/Area Number |
24360301
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 明 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40182901)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノプロセス / 微細加工 / レーザープロセシング |
Research Abstract |
本研究では、金属ナノ粒子と有機分子との有機無機ハイブリッド材料において形成される自己組織化ナノ構造へのレーザー光照射によって、ナノテクスチャ構造を有する金属表面形成の新手法の開拓とナノ構造形成機構の解明を行うことを目的とした研究を行った。微細なテクスチャを有する表面においては,超擾水性などの機能が発現する。金属ナノ粒子を用いた金属表面のテクスチャリング法の開拓によって,耐久性の高い機能表面の実現が期待される、有機基で修飾されたAgやAu等の金属ナノ粒子と種々の有機置換基を有するPOSSとをトルエン溶媒中で混合し.基板上にスピンコート製膜することによって.金属ナノ粒子/POSS会合体による自己組織化構造を有する前駆体膜を形成した。これらにレーザー光を照射・走査することにより,ナノテクスチャ構造を有する金属膜を形成した。レーザー光源としては,ナノ秒,ピコ秒およびフェムト秒パルスレーザーを用いて,レーザー光照射条件の影響を検討した。Agナノ粒子/POSSハイブリッド膜において形成される自己組織化構造はPOSSの有機置換基の影響を顕著に受け,シダ状構造,球状構造,およびキュービック構造が観測された。シダ状の自己組織化構造を有する銀ナノ粒子/OV-POSSハイブリッド膜に対して,ナノ秒パルスレーザーを用いたシンタリングを行った場合には,自己組織化構造部が凸型で残存した表面構造となった.顕微ラマンスペクトルの測定からは,アモルファスカーボンに帰属されるブロードなラマンバンドとSi-O-Si構造に帰属されるラマンバンドが観測された。このような構造の形成は,ナノ秒パルスレーザーによるシンタリングの場合には,レーザーアブレーションよりも熱的なプロセスが主であるためと考えられた。これに対して,ピコ秒パルスレーザーによるシンタリングの場合には,レーザーアブレーションによって,自己組織化構造部が凹型となった表面構造が形成された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有機基で修飾されたAgやAu等の金属ナノ粒子と種々の有機置換基を有するPOSSとをトルエン溶媒中で混合し,基板上にスピンコート製膜することによって,金属ナノ粒子/POSS会合体による自己組織化構造が形成できており、これらへのレーザー光照射条件の制御によって、種々の微細構造を有する金属薄膜を形成できている。
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Strategy for Future Research Activity |
金属ナノ粒子と種々の有機置換基を有するPOSSとの自己組織化とレーザーシンタリングによって種々の微細構造を有する金属薄膜を形成し、それら微細構造の制御条件をさらに明らかにし、またそれらの機能表面としての特性を検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は,研究協力者としている台湾工業技術院(ITRI)のC.W.Cheng博士との研究協力が双方の日程の都合で頻繁に行うことができなかったために生じたものであり,次年度以降に実施するレーザープロセッシングによる構造制御に関する研究協力に必要な経費として,平成25年度請求額と併せて使用する予定である。
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Research Products
(7 results)