2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24360304
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 一則 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20143828)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メタン / 燃料極 / サーメット |
Research Abstract |
メタン直接酸化活性を高める酸化セリウム系燃料極として、微細Ni金属粒子が分散した構造をもつNi-(CeO2)1-X(SrO)X(Ni-SrDC)サーメット燃料極に着目した。試料作製は固相反応法を用いCeO2粉末とSrCO3粉末を混合した粉末を高温焼成し、 (CeO2)0.95(SrO)0.05(5 mol%SrDC)の固溶体単相であることを、粉末X線回折法により確認した。発電特性に対する比較試料のCeO2粉末も同条件で焼成し、ほぼ同一の微細組織を有するNi-CeO2燃料極を用いた単セル(Ni-CeO2セル)とNi-5 mol%SrDC燃料極を用いた単セル(Ni-5 mol%SrDCセル)について、メタンに対する発電特性の比較を行った。その結果、Ni-5 mol%SrDCセルの方がNi-CeO2セルよりも高い電流密度を示し、燃料メタン供給に対する発電性能の長時間安定性も高いことを見出した。アノード過電圧測定および交流インピーダンス測定による各抵抗成分分析より、時間経過に伴う反応抵抗の増加およびオーミック抵抗の増加に対する抑制効果を確認した。アノードにおける分極抵抗の逆数(Rp-1)に対するアレニウスプロット比較からNi-CeO2セルとNi-5 mol%SrDCセルでの燃料極反応機構が異なることを示し、ガスクロマトグラフによる生成ガス分析の結果のCO生成量の違いからNi-5 mol%SrDCにおいて、メタン部分酸化反応が優先的に進行することを明らかにした。以上の結果は、SrOがCeO2に固溶することにより、酸化物イオン導電率の向上によるメタンへの酸化物イオン供給の効率が向上し、SrOを添加したことによるメタン強吸着の抑制および生成したCOの脱離がメタン熱分解による炭素析出を抑制したと考察した。サーメット燃料極における微細Ni金属粒子のサイズならびに分散度の発電特性に及ぼす効果について検討を進め、Ni基の微細合金粒子がサーメット燃料極においてメタン直接酸化活性を高めるメカニズム解明の基礎的知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた微細な合金粒子が分散した構造をもつサーメット燃料極の作製法が困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
金属イオンが溶存した溶液からの湿式の光電析法に対して、ドライな雰囲気で微細金属(合金)粒子の分散固定が可能なプラズマスプレー法を併用する。これにより、湿式法と乾式法の両者の金属粒子分散固定法によるサーメット燃料極を用いることができる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
微細金属(合金)粒子の作製に関する実験装置の仕様が確定しなかったため。 必要とするアタッチメント装置の仕様がほぼ確定したことから、この仕様に沿った製品・部品を購入する。
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