2013 Fiscal Year Annual Research Report
WPCの射出成形性に及ぼす前処理と熱履歴の影響およびWPC製品の耐衝撃性の向上
Project/Area Number |
24360309
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
飯塚 高志 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (60335312)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 材料加工・処理 / 塑性加工 / 混練型WPC / 射出成形 / 複合材料・物性 |
Research Abstract |
H25年度は,「射出成形時の木質素材の流動に及ぼす前処理および熱履歴の影響」を解明するために「射出成形性評価システムの構築」および「前処理・熱履歴の影響評価」を行った.具体的には,まず汎用フライス盤を利用して粉末混合・混練ペレット作製装置の企画・設計から作製までを行った.混練には,押出し成形機や射出成形機を模すためにスクリュ式を採用し,今回は簡単のため台形ねじをスクリュの代用として,混練試験を行った.この装置はフライス盤を利用しているため,そのままスクリュ式射出成形模擬試験機に応用可能である.実際にPP50%,竹50%の条件で混合・混練を試みた.また,前処理時の木質系粉末の含水状態を気乾(8%)から飽水状態(400%)まで変化させ,200℃20分で蒸煮処理を行い,フローテスタを用いて流動性の評価を行った結果160℃~180℃の比較的低温の試験で含水率が高い(200%以上)前処理を行うことによって粘度が低下する傾向を得られた. 余熱時間を5分と10分で流動性試験を行った結果,予熱時間10分で流動開始時間は遅れるものの,流動性は高まる結果が得られた.作製した混練機と市販のラボプラストミルのそれぞれで作製したPPベースのWPCについて流動性試験を行い,基礎的なデータを収集した. 次に「高強度化と柔軟化によるWPCの耐衝撃性向上」を目的として,「繊維強化によるWPCの高強度化と耐衝撃性」および「柔軟プラスチックの利用によるWPCの柔軟化と耐衝撃性」を調査した.スギ木幹部のチップおよびダンボールを解繊して圧粉成形を行い,繊維長と耐衝撃性の関係を評価した.さらにスギのバーク繊維および木幹部繊維についてWPC化を試みた.また,蒸煮や煮沸など前処理を施した木質粉末をPPと混合し,代表的な条件で圧粉成形を行うことによって成形体の衝撃値を評価し,柔軟プラスチックの利用の効果を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「高強度化と柔軟化によるWPCの耐衝撃性向上」に関しては,研究の進捗にやや遅れがあるもののおおむね計画に対して順調に進展できている.一方,「射出成形時の木質素材の流動に及ぼす前処理および熱履歴の影響」に関しては,計画通りに射出成形性評価システムの構築を進められているとともに,「前処理・熱履歴の影響評価」に関しては,成分分析を行うなど当初の計画以上に研究を進めあられていると考えているため.
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度は精力的に研究を推進し,予定以上の成果を得ることができたと考えている.特に他研究機関との連携が促進でき,ラボプラストミルなどの装置を使用できたためWPC化の研究を推進できた.さらに課題であった成分分析の研究にも着手でき,メカニズムの解明の予定以上の進展も期待できる状況にある.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予算に関しては,毎年3月~4月に行われるヨーロッパの塑性加工国際会議(ESAFORM)がH26年度は5月に行われるため,参加費の登録料や旅費の申請に関して処理年度に関して不明瞭な点が多かったことから,予算の一部を繰越す必要があった.参加費に関しては,26年度3月に支出が発生したため,25年度分からの支出となったが,旅費に関しては26年度に繰り越した分から支出する予定である. 繰越し分は予定通り,ESAFORM 2014へのび旅費として計画通りにH26年5月に使用する.
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Research Products
(3 results)