2013 Fiscal Year Annual Research Report
超塑性ダイレス加工における結晶組織制御を利用した医療用高品位微細管の創製法開発
Project/Area Number |
24360310
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
真鍋 健一 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (10145667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 明 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (90240142)
古島 剛 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (30444938)
高橋 智 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (80260785)
清水 徹英 首都大学東京, システムデザイン学部, 助教 (70614543)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロチューブ / ダイレス引抜き / 表面あれ / ねじり / 組織制御 / 多パス / 機械的性質 / 加工熱処理 |
Research Abstract |
本年度は次の項目について検討した。 (1) 高度ダイレス加工制御システムに向けた検討:一方向照射レーザーダイレス加工で必要な安定した温度分布を実現するため、新たに試験管の回転加熱方式を導入した。その結果、レーザー一方向照射で生じる照射面と非照射面との温度差を周方向に一様な温度場に近づけ、またダイレス引抜きによる管軸が母管側より非照射側に偏心する現象も抑えることに成功した。それによりねじり同時付与の回転レーザーダイレス引抜き加工システムに改造した。より高度な制御技術の導入までに至らなかったが、その基盤は構築できた。 (2) 多工程ダイレスマイクロチューブ創製加工における表面あれ抑止と高強度化を図る適正加工熱処理条件の検討:上記のねじりを付与するダイレス引抜き法において、ねじり量が引抜き材の機械的性質に及ぼす影響を調査し、ねじりを付与しても加工限界が低下することなく、ねじりなしの場合と同程度の値が得られることを示した。また、適切なねじり量の付与によって引張強さと破断伸びを同時に向上させる引抜き条件を見い出した。以上から、加工熱処理としての金属マイクロチューブのレーザーねじりダイレス引抜きの有効性を実証した。ねじり付与した場合の表面あれはねじり量の増加に伴い急激に表面粗さが増大することがわかり、その抑止するねじり量の解明が課題となった。 (3) 加工熱処理を考慮した変態・熱・変形力学的連成FEM解析:加工熱処理を考慮した変態・熱・変形力学的連成FEMモデルの妥当性を示すまでには至らなかった。今後も継続して検証を行い、実加工プロセス条件でのモデル妥当性の確認を行う計画である。 (4) 表面酸化層の生成メカニズムや酸化層評価と抑止検討:ねじり付与の場合の多工程ダイレス引抜きにおける表面酸化による材料損傷劣化は昨年ほど顕著に現れなかった。新たな課題としてねじりによる新たな筋模様の発生が生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
以下の三つの理由がある。 1、一方向レーザー加熱竪型引抜きで安定した温度分布を得る回転加熱方式の検討に手間取ったため、その方式のレーザー加熱ダイレス引抜き実験が十分にできず、全ての実験に遅れが生じた。 2、Mg合金ダイレス引抜きにおいてマイクロオーダ微細管での超塑性発現に関する検討が十分に進んでいない。しかし、過去にMg合金のダイレス引抜きの実績あるため、超塑性変形によるMg合金のマイクロチューブ創製に関しても超塑性を発現できれば成功できる感触を得ている。 3、加工熱処理を考慮した変態・熱・変形力学的連成FEM解析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を変更する必要はないと考える。超塑性変形は温度分布や初期寸法不整に敏感であるが、ようやく実験において安定した温度分布を実現できるように改善できたため、今後は大きな問題なく研究目的を達成できるものと考えている。少なくともMgに関しては超塑性ダイレスの実績があるため、その成果は出せるものと考えている。また連成FEM解析に関してもこれまでの実績から、研究時間を本課題に集中し、全メンバーで対応することによって達成できるものと考えている。それでも難しい場合は本科研費より専門家の知識を得ることも考えている。
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