2013 Fiscal Year Annual Research Report
高温水素分離シリカ膜を搭載した膜反応器による革新的プロピレン製造法の開発
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24360323
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
中尾 真一 工学院大学, 工学部, 教授 (00155665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 憲樹 工学院大学, 工学部, 准教授 (50451795)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膜反応器 / 平衡シフト / シリカ膜 / プロパン / プロピレン / 脱水素 / コーキング |
Research Abstract |
今年度は主にプロパン脱水素反応用のpacked-bed型の反応器を作製し、反応条件を変更することでコーキング量を減らすことを目的とした。この検討は、次年度に膜反応器運転を行うために適した条件の探索にも有用な知見を与えるものである。packed-bed型の反応器には、アルミナ担体に白金を担持した触媒(担持量は1wt%、担体粒径は500~710ミクロンに調整したもの)を調製しこれを用いた。触媒をSUS管に充填することでpacked-bed型の反応器とした。SV値の影響を検討したところ、いずれの条件でも反応時間が長くなるにつれてプロパン転化率が少しずつ減少し、300分を超えるとプロパン転化率は初期の転化率の50%程度となった。反応試験後の触媒を評価したところ、プロパン転化率の減少の原因は、いずれの反応条件でもコーキングによる触媒活性の低下であった。ただし、このコーキング量は、初年度の膜反応器運転を行った際に問題となったコーキング量と比べて少ないことも明らかとなった。これはSV値などの反応条件に関するパラメータよりも、反応系の水素分圧が、触媒の活性に影響を与えている可能性を示唆している。 膜反応器の検討も行ったが、製膜装置に不具合が生じたため、膜反応器に使用可能な膜の作製に苦慮した。現在は装置の不具合は改善されたため、研究計画通り平成26年度はプロパン脱水素膜反応器に検討を進めることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した検討事項について、概ね検討が進んでおり、次年度計画に向けても準備が整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に変更はなく、今後も交付申請書に記載した計画に沿って研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
packed-bed試験に予想以上に時間を費やしたため、膜反応器検討のための製膜に要する試薬類や膜評価に用いるガス類などの計上分を一部使用できなかった。現在は順調に研究を推進しており、今年度計画通り使用できる予定である。 上述の通り、次年度使用額分は膜反応器検討のための製膜に要する試薬類や膜評価に用いるガス類などに用いる。その他は当初の予定通りの予算執行を計画している。
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