2013 Fiscal Year Annual Research Report
高比表面積を有する強磁性体内包カーボンナノ粒子の創製および水環境浄化技術への応用
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24360327
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐野 紀彰 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70295749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田門 肇 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30111933)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 材料合成プロセス / カーボン / プラズマ / ナノ材料 |
Research Abstract |
約5000Kの高温で炭素や金属を蒸発させて、低温の水中でその蒸気を急速に冷却する反応場を用いて強磁性体ナノ粒子が内部に分散したカーボンナノホーンを合成する。この生成物は粉末であるが、液体中に分散しても磁場で回収できるという性質を持つ。また、カーボンナノホーンの部分を適切な酸化処理を行うことで多孔質化することで、表面積を増加することができる。平成25年度では、ガス導入水中アーク法で合成した強磁性金属ナノ粒子分散カーボンナノホーンの磁性をできるだけ損なうことなく表面積を大きくする最適酸化条件を求めることが主な課題であった。 酸化する条件として、オゾン水を使った。水中にFeナノ粒子分散カーボンナノホーンを分散させておき、その水にオゾンを含む酸素をバブリングした。室温における交流磁化率を測定すると、生成物の質量あたりの磁化率が増加するという結果になった。理由として、Feが酸化されてフェリ磁性をもつ酸化鉄(マグネタイト)になるということが分かった。空気中で高温で酸化すると常磁性の酸化鉄(ヘマタイト)になり、磁場で回収することが困難になる。したがって、オゾンによる酸化は磁場による回収の利便性を損なうことがない点で良い。また、比表面積を窒素吸着により測定したところ、オゾンによる酸化を行ったあとは生成物の比表面積が顕著に増加することが分かった。したがって、磁化特性を損なわずに比表面積を増加するという目的は達したといえる。以前の検討で、二酸化炭素中で1000℃の条件で同様の結果が得られているが、今回は室温のオゾン処理で効果が得られるので安全性、簡便性においても優れる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ガス導入水中アーク法によりFeナノ粒子分散カーボンナノホーンを合成し、その表面積を磁化率を損なうことなく増加することに成功しているので、ここまでの段階は成功している。しかしながら、最終目的である水処理に利用する触媒としてはまだ良好な結果が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
表面積が大きく、磁場で回収することができるFeナノ粒子分散カーボンナノホーンの作製はできているが、その触媒としての能力を増加させる必要がある。方法として、Fe以外の成分をまぜて機能性合金のナノ粒子が分散した構造にする、もしくは、生成物の表面に官能基を付ける処理を行うなど、考えられる。
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