2013 Fiscal Year Annual Research Report
単分散シリカナノ粒子コロイド結晶を基盤にした多孔質無機材料の創製と触媒への応用
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24360331
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
横井 俊之 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (00401125)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノ触媒 / 触媒・化学プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
H25年度において、WO3やSnO2の多孔質構造化に取組んだ。種々のサイズの「単分散シリカナノ粒子コロイド結晶」を用い、三次元細孔を有する多孔質WO3やSnO2を調製した。
SnO2についてはH24年度に引き続き、調製条件の再検討ならびに多孔質化による比表面積の増大に取り組んだ。粒子径が50 nmの「単分散シリカナノ粒子コロイド結晶」を鋳型として合成される三次元細孔(細孔径も50 nm)を有する多孔質カーボンを鋳型として用いSnO2の調製した。カーボン細孔内でSnO2を調製することにより、SnO2の粒子形態の制御を達成した。 これまでに硫酸化SnO2(SO42-/SnO2)がキシロースの脱水反応によるフルフラール合成反応において高い活性を示すことを報告している。そこで合成したサンプルの触媒性能をキシロース脱水反応により評価した。一般にキシロース脱水反応によるフルフラール合成ではルイス酸による異性化とブレンステッド酸による脱水の二段階で反応が進行すると考えられている。反応の結果、50nmのカーボンレプリカを用いて合成したメソポーラス硫酸化酸化スズ(SO42-/SnO2 (CR))が最も高いフルフラール収率を与えた。硫酸化によるブレンステッド酸点の導入、ならびに多孔質化による比表面積の増大が、高い活性につながったと考えている。
当初計画していたZrO2やペロブスカイト系酸化物については、プレ検討の結果より調製可能であることが見込めたこと、しかし別のグループより論文発表などがあったため、詳細な検討は見送った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SnO2については計画通りに触媒調製と触媒性能評価まで行うことができた。 しかし、硫酸化過程の検討、その過程での触媒構造の変化に対する考察に時間を要した。
WO3触媒の構造解析を行った結果、期待したような三次元規則構造が形成されていなかったため、WO3触媒の鋳型となる単分散シリカナノ粒子コロイド結晶の粒子サイズを変更する等の再検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるH27年度は「単分散シリカナノ粒子コロイド結晶」を用い、ゼオライトの構造制御に取組む。とくにチタノシリケートのナノサイズ化と触媒特性に注力していく。
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Causes of Carryover |
平成25年12月、調整したWO3触媒の構造解析を行った結果、期待したような三次元規則構造が形成されていなかったため、WO3触媒の鋳型となる単分散シリカナノ粒子コロイド結晶の粒子サイズを変更する等の再検討を行う必要性が生じたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験遂行のための物品(He,Arガス等10万・無機試薬15万・有機試薬15万)・成果発表、情報収集のための旅費(海外出張40万・国内出張20万)・実験補助員のための人件費70万・学会参加登録費等10万
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