2014 Fiscal Year Annual Research Report
超高活性触媒設計のための触媒活性種特異的サイト選択的構造・電子状態解析の実現
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24360332
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 朋子 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (90283415)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | XAFS / EELS / 固体触媒構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は金属酸化物化合物に含まれる炭素や窒素など特に軽元素のELNESスペクトルを電子顕微鏡内で測定し,XANESスペクトルとの比較を行った.具体的には窒素添加TiO2光触媒中の窒素を対象としてN K-edge XANES及びELNESスペクトルを測定し,両者は同様のスペクトルを示すことを確認した.また,可視光応答性を示す窒素添加TiO2光触媒(高活性試料)のXANES・ELNESスペクトルには398eVと401eVの2本の吸収ピークが存在したが,可視光応答性を示さない光触媒(不活性試料)のスペクトルには401eV付近に1つの鋭い吸収ピークが認められた. 高活性試料と不活性試料にそれぞれ生成している窒素の化学状態について明らかにするために, 第一原理計算に基づく構造最適化とFEFFコードによるスペクトルのシミュレーションを行った結果,高活性試料と不活性試料のスペクトルは各々,TiO2中の酸素サイトを窒素原子が置換している構造モデルと,TiO2中の酸素サイトをNO2分子が置換している構造モデルで再現することができた. このように,ELNESスペクトルがXANESスペクトルと同様のスペクトルを示すことから,前年度までに構築してきたXANESを利用した定量的構造解析や電子状態解析がELNESにも応用可能であることや,第一原理計算に基づくスペクトルのシミュレーションが触媒活性種の同定に有効であることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的や実施計画に添って着実に成果を挙げることができたと思う.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度であるため,次年度の研究内容・目的を達成するばかりでなく,研究を総括できるよう意識して取り組んでいきたい.
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