2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24360336
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上田 宏 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (60232758)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオセンサー / 蛍光消光 / バイオイメージング / バイオチップ |
Research Abstract |
1.ライブラリからの各種一本鎖抗体(scFv)の取得 抗体チップ作成のため,抗原添加によってより蛍光が高まる(Q-bodyとして性能の高い)組換え抗体断片の取得を試みた。このため,CDRに変異を加えたscFvライブラリを作製し,ファージ提示法を用いて抗原BGPで選択することにより,抗原特異的に結合する抗体断片を得た。得られた抗体断片について,備品として購入したタンパク質パーソナルアッセイシステムBLItzを用いて抗原結合能の定量的・速度論的解析を行い,高い結合能を示すクローンにつき,それらをQuenchbody化して性能を評価した。 2.診断用プロテインチップの構築 BGP認識Fab型Q-bodyをビーズに固定し,これを顕微鏡観察することにより,抗原依存的な蛍光上昇が検出できた。次にVitamine D3を添加し分化誘導するとBGPを産生するU2OS細胞を用いて,これに Q-bodyを添加し直ちに蛍光顕微鏡観察を行ったところ,分化誘導を行った場合のみに細胞内外で顕著な蛍光が観察された。今後この知見をもとに,アルブミン,がん抗原などで同様の検出を試みる。またこれらのビーズをスライドガラス上に配置することで,チップとして具体化する。 3.抗体以外のタンパク質のQ-body化 モデル結合タンパク質として免疫抑制剤ラパマイシン結合タンパク質ペアFKBP12-FRBを一本鎖化したものを用い,無細胞タンパク質合成系を用いてこれらのN末に蛍光色素を導入した。この結果,複数のコンストラクトと色素のペアでラパマイシン依存的な蛍光強度上昇を確認でき,ラパマイシンセンサーの構築に成功した。これについて蛋白質科学会でポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗体選択については本年度はFabからscFvの選択に変更し,より応答性の高い抗体を選ぶ方向に若干の方針転換を行ったが,抗体以外の結合タンパク質での結果も出ており,概ね計画通り進んでいると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
抗体選択に関しては,現状では大規模ライブラリの構築と選択には技術的困難が伴うことから,目標を既存の抗体の応答性向上に変更し,更に複数の抗体で選択を試みる。また新たに,最近報告されたタンパク質のN末標識法を応用した,既存の抗体を用いたQ-body構築の可能性についても検討する。チップの具現化に関しては,アレイヤーと読み取り機が調達できればこれらを用いるが,それまでは384ウェルプレートでの測定,Quantusでの測定,ウェル印刷スライドガラスの顕微鏡観察等で微量蛍光測定における感度を評価する。得られた結果については,順次学会発表ならびに論文発表を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度に予定していた試薬の納入が次年度になったため,そのための費用を残した。 納入予定の試薬(蛍光色素)を用いて,より応答性の高いQ-body構築の可能性を探る。
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Research Products
(11 results)