2013 Fiscal Year Annual Research Report
アプタマーセットを用いた血液中極微量疾病マーカーの多数同時検出法の開発
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24360338
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
池袋 一典 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70251494)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アプタマー / 疾病マーカー / 同時検出 / バイオ関連機器 / 診断技術 |
Research Abstract |
血液中に極微量しか存在しない多数の疾病マーカーを同時に検出する為に、それに結合する複数のアプタマーを用意し、ビーズ等に血液中の疾病マーカーである複数の蛋白質を固定化し、これに結合したアプタマーを回収・増幅し、次世代シーケンサーにより塩基配列を決定する方法を開発する。特定のアプタマー配列の数は血液中の特定の疾病マーカーの濃度に対応するはずであり、アプタマー配列を計数すれば、疾病マーカーを検出し濃度を概算できる。添加するアプタマーセットは、それぞれの疾病マーカーを同じ様にビーズ等の固定化担体に共有結合させてスクリーニングして取得する。マーカーが極微量しか存在しなくても、固定化した疾病マーカーに数個でもアプタマーが結合していれば、PCR増幅によりその配列は読めるので、高感度検出できる。またアプタマーセットと次世代シーケンサーを用いることにより、多数の疾病マーカーの同時検出が可能になる。本研究は、以下の4つの項目について研究を遂行する予定であり、平成25年度は、上記の1)を確認し、2)と3)の研究に着手した。 1)既に取得している疾病マーカー結合アプタマーを用いた本検出原理の確認 2)標的分子を共有結合で固定化した固定化担体を用いたアプタマーセットの探索 3)取得したアプタマーセットを用いた多数疾病マーカーの同時検出とその検出感度の検討 4)現在疾病マーカーと考えられていない血液中の極微量標的蛋白質の検出
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2年目が終了したが、今のところ検出原理の確認だけが終わっており、予定した4項目のうち終わったのは1項目だけである。残り3項目のうち2項目の研究には着手したが、まだ十分な数のアプタマーセットは得られていない。想定していた以上に非特異的吸着に基づくバックグラウンドシグナルが高く、高感度検出を行うためにはアプタマーの固定化担体等への非特異的吸着を防ぐ方策の開発が必要であった。今回ボロン酸を用いて糖鎖を共有結合したことにより、非特異的吸着はある程度抑えることが出来たと考えられるので、2)~4)の研究を精力的に推進する。
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Strategy for Future Research Activity |
前述した通り、非特異的吸着の低減に時間を費やし、原理確認の段階で研究が若干滞っていたが、ボロン酸ビーズの利用によりこの問題は解決できる見通しが立った。この後は、アプタマーのスクリーニング及び結合したアプタマーのシーケンシングというある意味でルーティーンの仕事を繰り返すことになるので、従事する学生の数を増やスことによって研究を急速に推進する。実際に従事する学生の技能は向上しており、今年は急速な推進が可能であると考えられる。
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