2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24360357
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土井 康明 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10134454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
睦田 秀実 広島大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80273126)
中島 卓司 広島大学, 大学院・工学研究院, 助教 (40444707)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 袋状 / コンテナ / 流体輸送 / 曳航 |
Research Abstract |
本課題では,袋状のコンテナに液体を充填して,海上を曳航する場合に発生する問題点を明らかにし,流体輸送に適切な袋状コンテナの形態を提案することを目的としている。本年度は,まず曳航状態で袋状コンテナに作用する流体力を計測し,さらに曳航時の袋状コンテナ形状を計測した。 実験は広島大学工学部所有の船型試験水槽にて行った。袋状コンテナの模型は実機として長さ×幅×喫水=100m×15m×7m(内容量4378t)の袋状コンテナを想定し,その1/25にあたる長さX幅×喫水=4m×0.60m×0.14m(内容量0.28t)の模型を用いた。袋状コンテナの膜素材はLLPE(リニアタイプ低密度ポリエチレン),膜の厚さは0.61mmで引張降伏応力は12MPaである。 トルコーキプロス間に就航した袋状コンテナ等の実績例を参考に,曳航速度は,フルード数が0.03~0.15の範囲とし,液体充填率は60%とした。曳航中の袋状コンテナの特徴として,袋状コンテナの膜変動が挙げられる。コンテナの膜変動は外部流体と内部流体の相互運動によって発生していると考えられる。膜変動の計測は,水中ビデオカメラを用いて得た袋状コンテナの画像を画像処理により輝度値に変換することにより求めた。サンプリングの時間刻みは0.035秒である。 実験結果より以下の知見を得た。平水中の袋状コンテナの抵抗は,フルード数が0.03~0.15の範囲では,相当平板の摩擦抵抗の概ね5倍程度である。この速度域では造波抵抗は微小であることから,袋状コンテナの平水中の抵抗発生要因は渦による圧力抵抗であると考えられる。また,フルード数が0.08では,抵抗値に有意な変動が計測された。しかしながら曳航時の袋状コンテナの膜変動には有意な変動は計測されなかったことから,この変動も渦により誘起された変動と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
袋状コンテナの平水中での抵抗試験,曳航中の袋状コンテナの形状計測を実施し,その評価を行うことができたことから,おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
曳航中の袋状コンテナ周りの流れ場の現象解釈のため,数値シミュレーション法を開発し,今後の研究の推進方策とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた流体力計測における実験材料の選定が決められなかったため,未使用額が発生した。次年度の実験に組み込む予定である。
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