2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24360361
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
瑞慶覧 章朝 神奈川工科大学, 工学部, 准教授 (00601072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江原 由泰 東京都市大学, 工学部, 教授 (40308028)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 船舶排ガス / 電気集塵 / SOx除去 / PM除去 |
Research Abstract |
本研究では,船舶排ガス中のSOxとPMを同時に除去するシステムを構築し,実用化を図ることを目的としている.平成24年度に構築したシステムは,ミスト化部(熱交換器)と電気集塵部で構成されている.ミスト化部では,473K前後の排ガス温度を293K程度まで冷却することにより水分凝縮を起こし,ガス中のSO2の27%を硫酸ミストに変換し凝結水として回収できた. 平成25年度は,本装置によるPMとSO2の低減率向上を目的として,その効果を評価した.PMについては,イオンクロマトグラフとソックスレー抽出装置を用いて,その主成分であるドライスート,可溶性有機成分(SOF),硫酸イオンに分けて低減効果を評価した.その結果,次のことが明らかとなった. 1)排ガスを冷却することによって,PM濃度が増加する.これはガス状に存在するSOFが,凝縮現象によってエアロゾル化するためである. 2)高温排ガス中では,電気集塵部によりPM成分であるドライスートを95%以上低減できるが,SOF, 硫酸イオンはほとんど低減できない.これに対して,排ガスを冷却することによって,全てのPM成分に対して,85%以上の低減率が得られた. 1)の結果は,電気集塵装部などでは捕集することができないガス成分を,捕集が可能なエアロゾルに容易に変換できることを明らかにしており,排ガス中のSOF成分を低減する上で大変重要な成果といえる.さらに,2)の結果は,高温排ガス中のPMの低減率向上が困難であった原因を明らかにするとともに,冷却することで全てのPM成分に対して高い低減効果を達成している.これは,PM除去装置を実用化するにあたって,貴重な結果である. 一方,SO2の低減に対しては,低減率30%前後にとどまる結果となった.今後は,プラズマ処理法をさらに改良し,SO2の低減率向上に注力する必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「研究の目的」に対して,実験及び検討は計画通りに進められており,SOFのエアロゾル化,SOFや硫酸イオンを含むPMに対して高い除去率を達成した.
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Strategy for Future Research Activity |
排ガス中のSO2の低減率の向上を目指し,研究を推進する. 本目的を達成するため,FT-IRによる排ガス成分の分析により,SO2の反応及び低減プロセスについて検討する.また,イオナイザーおよびオゾナイザーを新たに製作し,本システムにおけるSO2の酸化促進を試みる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
交付金額決定後,研究計画を再考し,当該助成金を次年度に生じさせた. 学会発表の旅費,研究を進める上で必要となったFTIR用ガスセルの購入に使用する.
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Research Products
(11 results)