2014 Fiscal Year Annual Research Report
実海域掘削データ融合シミュレーションの構築による掘削効率向上に関する研究
Project/Area Number |
24360368
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
井上 朝哉 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球深部探査センター, 主任技術研究員 (10359127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝井 辰博 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (80343416)
山本 美希 独立行政法人海洋研究開発機構, 数理科学・先端技術研究分野, 研究員 (50514296)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 掘削データ / Stick-Slip / Whirl Motion |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,掘削データ取得装置の構築,並びに,船上で得られた掘削データとシミュレーションを融合させて掘削状態の把握を行い,掘削効率の向上を図ることに主眼をおいている. 前年度までに,掘削データ取得装置の構築,ドリルパイプStick-Slip数理モデル構築,ドリルパイプ自励振動観測実験,および船体動揺を考慮したドリルパイプ累積疲労推算手法の構築を行った.平成26年度は主に以下を実施した. 1. Stick-Slipの模型実験を実施し,パラメータ依存性の確認や数値解析適用性の確認を行い,更に,掘削データに相当する上部回転トルク変動をもとにStick-Slipを表現する数理モデルを構築し,模型実験結果を用いてその検証を行った.これにより,船上掘削データとシミュレーションを融合した,実海域でのStick-Slip把握の可能性を示した. 2.船上掘削データに相当する上部回転を用いて,ドリルパイプ自励振動を表現する数理モデルを構築し,実験で得られた特徴を表現できることを確認した.これにより,船上掘削データとシミュレーションを融合した,ドリルパイプ自励振動把握の可能性を示した. 3.前年度までに実施したドリルパイプ累積疲労推算手法を拡張し,船上掘削データを用いてドリルパイプ累積疲労を推算する手法の構築を行い,実海域掘削データを用いて実操業中に累積した疲労を推算し,運用への提言を行うとともに,今後のリアルタイムでの監視の可能性を示した. 4.掘削データを用いたドリルビット回転挙動の把握に加えて,挙動による地層コア採取効率への影響について考察した.更に,回転挙動から掘削地層の摩擦特性を把握する手法を検討し,掘削中に地層特性の把握を行う新たな研究テーマを創出した.過去の掘削データを用いて推算した地層特性が採取した地層サンプルを用いた分析結果とよい一致を示すことを確認し,この新たな研究指針の有効性を示した.
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