2013 Fiscal Year Annual Research Report
遮断密度を大幅に超えた密度領域での電子バーンスタイン波加熱物理の探求
Project/Area Number |
24360381
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
打田 正樹 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (90322164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 孝 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20127137)
田中 仁 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (90183863)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電子バーンスタイン波 / プラズマ加熱・電流駆動 / トカマクプラズマ立ち上げ / 球状トカマク |
Research Abstract |
LATE球場トカマク装置(R=0.2m/a=0.14m)において、プラズマ遮断密度の10倍の密度領域の球状トカマク形成を目指した実験を行った。 (1)マイクロ波球状トカマク形成において、昨年度導入した偏波器を用いて入射電磁波から電子バーンスタイン波への高い変換効率を得るべく入射偏波調整を行った。4台の2.45GHzマイクロ波(合計入射電力65kW)のうち2台(40kW)に偏波器を入れて、プラズマ遮断密度の7倍程度の密度領域において高い変換率を持つと予想される入射偏波(Xモードに近い偏波)に設定した(残りの25kWは準Oモード)。放電の初期段階を準Oモード入射のみで形成し、電子密度が上昇した後半にXモード偏波の電力を加えることで、Ip=12kAで線平均電子密度が遮断密度の7倍の密度に到達できることが分かった。従来の全て準Oモード入射の場合に比べて、到達プラズマ電流が20%上昇し、入射偏波調整の効果が示された。 (2)任意の密度領域において適切な偏波に設定できるようにするため、任意偏波発生器を設計・製作した。これにより65kW中60kWの入射偏波を任意に設定出来るようになった。 (3)プラズマ電流が10kAを超える領域において、磁気プローブに間欠的に大きなスパイク状信号が観測され、このとき6コード干渉計による密度計測、XUV放射計測アレイ、高速可視光カメラの観測から、最外殻磁気面の中から外側へとプラズマの噴出が起こっていることが明らかになった。また、この現象の繰り返しにより密度が減少し、高密度化の妨げになっていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電子密度領域を遮断密度の10倍の領域へと拡大することは達成できなかったが、遮断密度の7倍の線平均密度を実現している。今年度予定している入射電力の増強(65kWから80kWへ)と入射偏波調整により、遮断密度の10倍の密度領域への到達が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、研究協力者との連携によりマイクロ波電力を60kWから80kWへと増強するとともに、入射偏波制御により電子バーンスタイン波への高い変換率を得ることで、遮断密度の10倍の電子密度領域のトカマクプラズマ形成を目指す。プラズマ電流が10kAを超える領域では、プラズマが最外磁気面を横切って噴出する現象が間欠的に起こることが見出された。これにより密度上昇が妨げられている可能性があるので、本現象を詳しく調べるとともに、プラズマ断面形状制御による回避・抑制を試みて、安定なプラズマ形成を目指す。達成されたプラズマを用いて遮断密度の1~10倍領域での電子バーンスタイン波の伝播・吸収特性を観測する。
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Research Products
(3 results)