2013 Fiscal Year Annual Research Report
流動液体金属プラズマ対向機器による周辺粒子制御の実験的研究
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24360387
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
廣岡 慶彦 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (60311213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦川 直子 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (00353441)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 磁気閉じ込め核融合炉 / ダイバーター / 粒子制御 / 液体金属 / 溶融リチウム |
Research Abstract |
H25年度は、実験室系定常プラズマ‐壁相互作用実験装置:VEHICLE-1を用いて、プラズマ照射下における液体リチウムからの水素・ヘリウムのリサイクリング挙動を実験的に観測し、以下のような極めて興味深く重要な結果が得られた。 水素の固体・液体リチウム中の溶解度は、温度が高いほど少なくなる(発熱反応)が、反対にヘリウムのそれは、温度が高いほど大きくなる。したがって、プラズマ照射下の液体リチウムを機械的に撹拌すると、表面温度が下がり、結果として、水素のリサイクリングが減少するのに対してヘリウムのリサイクリングが増加する傾向が実験的に観測された。この結果は、H25年10月イタリアで開かれた「第3回核融合装置へのリチウム応用」国際シンポジウムで招待講演を行い、Fusion Engineering & Design 誌への論文掲載が決まっている。 これらの実験と並行して、遅れていた液体金属ループとそれを格納するグローブボックスがほぼ完成し、常温で液体で取扱い安全なGaInSnを用いた液体流動試験が成功裏に行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
グローブボックスがほぼ完成したが、その遅れに伴って、高温での液体リチウム流動実験に関しての遅れが取り戻せていない。H26年度、ループ温調装置を取り付けて、実際に液体リチウムの流動実験を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように、H26年度は、グローブボックス内に格納した液体金属ループに温調装置を取り付けて、実際にリチウムを装填して液体流動実験を行う予定である。 また、プラズマ照射下での水素・ヘリウムの溶融リチウムからのリサイクリング挙動に関しては、Enhanced erosionの影響を実験的に調査する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
グローブボックスの制作・納品が業者の怠慢によって1年目から2年目にずれ込んだため、液体金属ループの循環流動実験が大幅に遅れたが、H25年度、ほぼ完成したのでGaInSnを用いた液体金属循環実験を行った。 しかし、本来H25に液体金属ループに取り付けるべき温調装置の設計製作が遅れたために予算執行にも影響がでた。 H26年度に、上記の液体金属ループ温調装置を設置し、実際に液体リチウムの循環試験を行う予定である。
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Research Products
(3 results)