酸素格子欠陥構造に基づく不定比性酸化物燃料の機構論的物性モデルの研究

2014 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 24360389
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 小無 健司 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10250812)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 田中 知 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10114547) ; 矢板 毅 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (40370481)
• Project Period (FY): 2012-04-01 – 2015-03-31
• Keywords: 原子力材料・核燃料 / ラマン分光 / 酸化物 / 格子欠陥 / シンクロトロン放射光

Outline of Annual Research Achievements

原子炉用酸化物燃料の設計及び解析に不可欠な物性モデルは、実験データに基づいた経験的な物性モデルがこれまで用いられてきた。これに対して、科学技術の進展を反映し、最新の知見、即ち、新しい実験データと物理的理論の両方に基づいた機構論的モデルを作成し、より予測精度が高く適用範囲の広い物性モデルの開発を目指す。本研究では、核燃料の物性において大きな役割を果たす不定比性について、微視的観点から研究し酸素の化学ポテンシャル（以下「酸素ポテンシャル」という）の機構論的物性モデル構築する。核燃料としてはプルトニウム酸化物（PuO2-x）を研究対象とした。ここでxは不定比性を表す。
統計力学に基づいた解析により平衡状態での酸素ポテンシャルを表す式を不定比性の関数として作成した。この式に含まれる２つの係数は、それぞれ欠陥生成エネルギー、欠陥－欠陥相互作用エネルギーから計算することができる。欠陥生成エネルギーは第一原理計算によって算出した。欠陥－欠陥相互作用エネルギーは、実験値から導いた。この式によって酸素ポテンシャル不定比性による変化を微視的観点から理解することが出来た。即ち、xが0.00-0.02の間の固体中の格子欠陥濃度が希薄な領域では酸素ポテンシャルは格子欠陥濃度に比例して変化する。格子欠陥濃度が0.02を超えて増加すると格子欠陥同士の相互作用のため比例関係からのずれを示した。
さらに実験データとの比較を行うため、模擬物質としてCeO2-xを対象としてラマン分光試験およびSPring-8の放射光を利用したXAFS試験を実施した。ラマン分光試験では、464 cm-1近くのラマンピーク（F2gモード）の不定比性によるシフトについて、酸素ポテンシャルの不定性依存性と同様の傾向を示すことを見出した。XAFS試験では不定比性が小さい範囲で格子欠陥に基づくCeK端のシフトが見られることを見いだした。

Research Progress Status

26年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

26年度が最終年度であるため、記入しない。

Causes of Carryover

26年度が最終年度であるため、記入しない。

Expenditure Plan for Carryover Budget

26年度が最終年度であるため、記入しない。