2013 Fiscal Year Annual Research Report
環境放射線を変動させる雷雲からの放射線の発生源の解明
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24360399
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
鳥居 建男 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 福島研究開発部門 福島環境安全センター, 研究員 (20421795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鴨川 仁 東京学芸大学, 教育学部, 助教 (00329111)
井口 哲夫 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60134483)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 環境放射線 / 雷雲 / 雷放電 |
Research Abstract |
平成25年度は、夏期(7月~8月)に富士山頂(富士山測候所内、環境省施設内)において、放射線検出器(NaIシンチレータ)と大気電気測定器(フィールドミル)を設置し、雷活動時に放射線計数率の連続的な上昇を観測(7月26日)した。この事象は、大気電場の変動と同期していること、また3Me以上のエネルギー領域でも放射線計数率の増加がみられることから、ラドン壊変生成物等の天然放射性核種が放出するγ線とは考えられず、雷活動に起因する高エネルギー放射線と推察された。これらの成果は、日本大気電気学会研究発表会、「富士山測候所を活用する会」成果報告会で報告した。 また、冬期(12月~3月)は、「ふげん」(福井県敦賀市)構内の3箇所に放射線測定器を、また2箇所に大気電気測定器を設置し、冬季雷活動時の放射線変動の観測を行った。その内、1箇所(ふげん南側監視所)に、γ線の入射方向とその変動・エネルギースペクトルを特定するための角形GAGG(Ce)シンチレータを組み合わせたγ線方向測定器を設置し、放射線源の特定を行う観測を実施した。しかしながら、今期、設置地域において雷活動が少なかったこともあり、特に有意な変動は観測されなかった。詳細解析はこれから行う予定である。 なお、研究代表者(鳥居)は、「雷雲活動に起因した高エネルギー放射線に関する研究」により、平成25年7月に平成25年度日本大気電気学会学術研究賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
夏期に富士山頂で観測したものの、γ線方向測定器測定器の開発が遅れたため、γ線の入射方向は特定できなかった。冬期は雷活動が少なかったこともあり、際だった事象は観測されなかったが、今後解析を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して観測を行う。特に、天然核種との弁別を行い、高エネルギー放射線の入射方向とエネルギースペクトルの測定解析を行うことにより、放射線の発生源の特定を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当年度の冬季において雷活動が少なかったため、旅費等の費用が計画より下回った。 継続測定とともに,測定器の改造整備に充てる。
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Research Products
(2 results)