2013 Fiscal Year Annual Research Report
パッシブ調湿・太陽熱高密度蓄熱を有する統合型ヒートポンプシステムに関する研究
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24360401
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
長野 克則 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80208032)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | ヒートポンプ / 太陽熱 / 蓄熱 / 調湿 / ZEB |
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| Research Abstract |
本年は第二年目である。まず、昨年度の第一フェーズで積み残した２つの課題、すわなち、アースチューブが導入された２つの住宅についてアースチューブ通過後の空気の微生物汚染の実態調査と伝熱促進吸着ユニットの開発を行った。その結果、アースチューブ出口空気の微生物濃度は外気レベルとほぼ同等であり、夏期でも日本建築学会の推奨する濃度にほぼ収まっており、微生物汚染のリスクは低いことが示唆された。一方、高密度蓄熱ユニットの伝熱促進のために、まず塩化リチウムを天然メソポーラス材料に含浸された粉末と有効熱伝導率増加に有効な発泡グラファイトを混合した基材を伝熱促進のための金属フィンを内部に持ち円筒表面を目の細かなメッシュ状の素材を利用した小径シリンダーに充填し、それを12本、吸着容器内に最大限密に配置することにより、従来よりも大幅に取り出し冷熱量を増加させて吸着速度の向上を実現した。
続いて本年度の研究実績であるが、体積25cm3小型吸着容器とフィンチューブを連結させた直接空気冷却装置を開発して、これまでの他の研究者以上に単位体積あたりの冷却能力を取り出すことに成功した。これは、吸着カプセル内に伝熱促進のあみだ状の金属厚板フィンと金属メッシュンの一体構成によるものである。ただし、この冷熱発生装置の容量アップは小型カプセルとペルチェ素子を交互に重ね合すことにより達成できると考えられるが実証は平成26年度に行われる。地中熱／空気熱に排気熱回収を追加した場合の統合型ヒートポンプの効率向上についてはまずは、統合型ヒートポンプの冷媒サイクル数値計算、および全熱回収型換気＋デシカント空調システムの数値シミュレーションで検討を行い、室内／外気条件と効率向上効果を明らかにした。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まずは第１フェーズで積み残していた２つの課題であるアースチューブ通過後の空気の微生物汚染の実態調査と伝熱促進吸着ユニットの開発を行い、課題をクリアーした。その上で第二フェーズで行う課題に取り組んだ。１つは、直接空気冷却装置であるが、これはセル方式として、スケールアップ可能な一体型の小型吸着容器を開発し、単位容積あたりの冷熱取出し可能密度が世界最高性能であることを確認したが、実際のセルを多連結したスケールアップは次年度の課題となった。地中熱／空気熱に排気熱回収を追加した場合の統合型ヒートポンプの効率向上についても、明らかにすることができたため。
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| Strategy for Future Research Activity |
まずは、第二フェーズで積み残していた熱発生装置の容量アップであるが、これは小型カプセルとペルチェ素子を交互に重ね合すことにより達成できるか検証する。また、諸条件下における高性能集熱器の高温水取り出し時の熱効率と統合型ヒートポンプの性能、効率をラボ実験から明らかにして、数値シミュレーターに用いる性能関数を作成する。その上で、平成26年度の第3フェーズに予定していた研究課題、すなわち（１）実証住宅に導入した建物の一体型高効率ヒートポンプユニットについて、換気側にはアースチューブ＋調湿ピット、給湯側には太陽熱集熱器と高密度蓄熱ユニットを導入した場合の一次エネルギー消費量削減効果を計算できる数値解析シミュレーターを構築する。その上で、住宅とマッチングする規模を検討した上で、これら設備を導入した場合の効果について、実験と数値解析から明らかにする。成果については、国外、国内の学会で発表すると共に、できる限りの査読付き論文で成果を公表していく。
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