2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24360406
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
郷右近 展之 新潟大学, 研究推進機構, 准教授 (20361793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長瀬 慶紀 宮崎大学, 工学部, 准教授 (90180489)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水素 / 再生可能エネルギー / 高温太陽熱 / 流動層 / 石炭ガス化 / 反応器 / 太陽集光システム / 合成ガス |
Research Abstract |
高品位石炭である石炭コークスや低品位の褐炭を流動層化し,太陽集光照射下でガス化する”ソーラーガス化反応器”を開発することを最終目的とし、研究を行っている。これら炭素資源に含まれる炭素と反応器に供給される水蒸気とのガス化反応は吸熱反応であり,供給される太陽集熱の一部が吸熱され,水素と一酸化炭素との合成ガスに転換される。理論上、生成した合成ガスの総熱量の約30%が太陽熱由来となり,太陽エネルギーの化学エネルギーへの転換が行える。得られた合成ガスは液体燃料に転換できることから,太陽エネルギーの貯蔵・輸送が容易となる。 今年度はガス化反応器のガス化速度を向上させるべく研究を行い、酸化物粒子を流動媒体として用いた流動層式ソーラーガス化反応器およびソーラーガス化法を新たに開発した。太陽集光を流動媒体で受光しながらガス化反応が反応器全体で進行する高速ガス化が進行することを見出し、この新規技術を国内特許出願した。また、ガス化反応器の反応試験に用いる大型太陽集光シミュレータの集熱流束分布・集熱量をMedtherm熱流束計にて計測した結果、30kWth集光照射が得られた。この熱流束測定に基づき、30kW中型ガス化反応器を設計・製作し、酸化物粒子の流動媒体による流動層試験を実施した。これと並行して、ビームダウン太陽集光システムにおける反応試験に向けて、ガス化反応器の流動粒子の可視化を行えるコールドモデルを設計・製作および50-100kW級大型ガス化反応器を製作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
5kWth級内循環流動層式ソーラーガス化反応器の開発・性能試験を通じて、酸化物粒子を流動媒体として用いる新たな流動層式ソーラーガス化反応器およびソーラーガス化法を開発した。この新規技術により、ガス化速度が大幅に向上することを実験的に明らかにした。この成果をもとに、30kW中型ガス化反応器を設計・製作し、酸化物粒子の流動媒体による流動層試験を実施した。また、宮崎大学に整備したビームダウン太陽集光システムの集光性能をゴードン型熱流束計などにより測定し、ソーラーガス化反応器のソーラー実証試験の準備進めており、集光照射試験を行える実験環境が整いつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
5-30kW小中型ガス化反応器について、新潟大学の太陽集光シミュレーターによる照射試験を行う予定である。また、ビームダウン太陽集光システムにおける反応試験に向けて、ガス化反応器の流動粒子および反応粒子の可視化を行えるコールドモデルを活用して、必要に応じてガス化反応器の改良を進める。また、ビームダウン太陽集光システムについて、ソーラーガス化試験に必要な2次集光器をガス化反応器に合わせて調整し、50-100kWth級大型反応器によるソーラーガス化試験を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究により、酸化物粒子を流動媒体として用いることでガス化速度が大きく向上することを新たに見出した。この成果は、酸化物粒子が流動媒体として機能するだけでなく、反応器内で進行するガス化反応の蓄熱媒体としても作用したことを示唆している。よって、平成26年度は、酸化物粒子の蓄熱性能について調査する必要が新たに生じた。また、平成26年度には流動層式ソーラーガス化反応器の集光照射試験を行う計画であり、研究計画の一部を変更し、次年度に一部助成金を使用することとした。 今年度新たに酸化物粒子の蓄熱性能について調査するための研究費として使用する計画であり、また、流動層式ソーラーガス化反応器の集光照射試験における消耗品費としても使用する予定である。
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Research Products
(24 results)