2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規DNA領域におけるセントロメア機能確立の分子機序
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24370003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石井 浩二郎 大阪大学, 生命機能研究科, 特任准教授 (40360276)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゲノム / 染色体 / セントロメア / キネトコア |
Outline of Annual Research Achievements |
セントロメア機能がDNA配列に関わりなく新規領域に新たに確立できることは、近縁生物種間の染色体構築の比較解析やセントロメアを持たない転座型染色体を安定に維持する細胞の出現が機能的に証明している。しかし、過去にさかのぼることは難しく、新規DNA領域におけるセントロメア機能確立の分子機序はこれまでほとんど理解されていない。私たちは、遺伝子操作の容易な分裂酵母実験系で、新規領域に形成されながら機能不完全な新生セントロメアが、世代を経ると機能正常型に成熟する現象を再現性よく見出している。本研究ではその現象をモデルとして、新規セントロメア確立の分子背景と作用機序を解明することを目指した。 昨年度までの解析により、分裂酵母3番染色体に形成された不完全な新生セントロメアと、その後30世代の細胞増殖を経て正常機能が確立されたセントロメアの間では、ヒストンH2AのバリアントであるH2A.Zの存在量に違いがあり、それが原因であることを見出している。今年度はその原因として、染色体の核内配置がH2A.Zの存在量の決定要因である可能性を解析した。LacIタンパク質を核膜に係留されるタンパク質Bqt4の部分断片と融合し、染色体の核内配置を人為的に核膜周辺に移動させ、それが染色体に生み出す影響を調べた。その結果、そのような染色体の移動は、遺伝子発現の緩やかな低下を生み出し、新生セントロメア形成にも正の影響を与えることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、全ての研究に着手し、その多くが進捗した。異所的ヘテロクロマチンがH2A.Zの存在量に与える変化の解析と、染色体の核膜係留解析は、今後の更なる発展性が見出されている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度特に発展性の見出された、異所的ヘテロクロマチンがH2A.Zの存在量に与える変化の解析と、染色体の核膜係留が機能の与える効果の解析をさらに推し進める。前者については、カノニカルなH2Aのサブタイプごとの関連を明らかにする計画である。また後者については、染色体編成変化との関係性を明らかにする計画である。
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Causes of Carryover |
異所的ヘテロクロマチンがH2A.Zの存在量に与える変化の解析と、染色体の核膜係留が機能の与える効果の解析では、今年度の解析から発展性が見出されたが、特に前者については、カノニカルなH2Aのサブタイプごとの関連を明らかにすることが必要であり、そのための細胞株づくりに時間が必要となったため、発展を享受する目的からも次年度使用額を発生させることになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主には、異所的ヘテロクロマチンがH2A.Zの存在量に与える変化の解析と、染色体の核膜係留が機能の与える効果の解析のための物品費に活用する計画である。研究補助に対する謝金も予定している。
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Research Products
(9 results)