2013 Fiscal Year Annual Research Report
茎頂及び根端分裂組織の活性制御分子機構の相同性と相違点
Project/Area Number |
24370024
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
澤 進一郎 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (00315748)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | CLE / シロイヌナズナ / 分裂組織 |
Research Abstract |
本研究は大きく、①茎頂分裂組織と②根端分裂組織、③両分裂組織の相同性と相違性の理解、の三つのテーマに関する解析に分けることができる。 ① 茎頂分裂組織におけるCLEシグナル伝達系の解析として、PUB4の分子機能解析を行った。その結果、PUB4が幹細胞の分裂のタイミングの調節を明らかにし、現在、論文投稿準備中である。また、AGB1が、RPK2と共に機能することを明らかにして、現在、論文投稿中である。 ② 根端分裂組織におけるCLEシグナル伝達系の解析として、様々なペプチド耐性突然変異体の原因遺伝子の単離に成功した。また、多くについて、分子遺伝学的解析を行うことができた。特にCLEN3は、細胞質型キナーゼをコードしていると考えており、根端分裂組織周辺での発現がin situ hybridization testにより観察された。CLEN3は、根特異的に機能していると考えている。また、近年、その相同性遺伝子が、受容体とMAPKKKを繋ぐ因子として報告されたことから、同様の機能を持つことも予想された。このため、現在、MAPKKKとのY2Hによる相互作用の同定を目指している。 ③両分裂組織の相同性と相違性の理解に関して、茎頂と根端、両頂端分裂組織で機能する物、片方でしか機能しない物に関して分類分けを行い、その、RNAの発現パターンから、どのような細胞(幹細胞など)で機能しうるかの検討が可能となった。それらの結果から、両頂端分裂組織の相違点と相同性を議論することが可能となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に書いた多くの点について、予定通り、進行している。多くのCLE peptide突然変異体の解析を行い、SOL1に関しては、Plant J.に論文が掲載された。また、AGB1に関しては、EMBO reportに投稿中で、現在、reviseを行っているところである。また、BAM1に関しては、現在、Plant Physiologyに論文投稿準備中である。さらに、PUB4に関しては、Devlopmentに投稿準備中であり、今年度中にいくつか報告が出来ると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、おおむね、これまでの成果をまとめるところが大きな課題となるが、本研究により、予定より多くのペプチド耐性原因遺伝子の同定ができた。今後は、これらの分子遺伝学的解析を進めることに関して、どのような候補を解析対象とするか、等、研究材料の取捨選択と各遺伝子に関して、どのような研究主峰でアプローチするかが課題となると考えている。多くの、良い候補遺伝子が単離出来たので、本プロジェクト修了後、この解析を引き継げるようなプロジェクトを提案したいと考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ペプチド耐性突然変異体の原因遺伝子を網羅的に解明し、遺伝学的に単離できるCLEペプチドホルモンの下流因子を全て同定し、分子遺伝学的解析を行う為に、25年度には、CLEペプチド耐性を示すclen突然変異体の解析を行った。その目的のために、植物育成補助、遺伝子のクローニングを行う研究補助員を雇用していたが、出産のため、辞めてしまったが、後任が見つからず、雇用費を消化することが出来なかった。この研究に関して、学生や他の研究員によりなんとか遂行でき、さほど遅れはない物の、効率が悪くなっていた。 今年度、新たに研究補助員を雇用することで、さらに、研究を推進する。昨年度、原因遺伝子の単離ができた遺伝子群に関して、コンプリメンテーションテストなどで原因遺伝子の同定(確認)を行う。その目的のための植物育成補助、遺伝子クローニング補助をお願いする研究補助員を雇用する。このことにより、遺伝学的に単離できるCLEペプチドホルモンの下流因子の全てを同定可能となっていると考えている。
|
Research Products
(6 results)
-
-
[Journal Article] CLE19 peptide activity is regulated by SUPPRESSOR OF LLP1 1-mediated C-terminal processing in endosomes in Arabidopsis2013
Author(s)
Tamaki, T., Betsuyaku, S., Hamasaki, R., Fujiwara, M., Fukao, Y., Fukuda, H., and Sawa, S.
-
Journal Title
Plant J.
Volume: 6
Pages: 970-981
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-