2013 Fiscal Year Annual Research Report
次世代抗ヒスタミン薬の開発に役立つヒスタミン受容体の構造解析
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24370044
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
島村 達郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90391979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 智也 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (40373360)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | GPCR / アレルギー / 結晶構造解析 / ヒスタミン |
Research Abstract |
抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンH1受容体に結合し、不活性化状態に固定してアレルギー症状を抑える。抗ヒスタミン薬は、古くから有る第一世代と、その後に開発された第二世代に分類されるが,第一世代は副作用が多く、第二世代は副作用が少ない。われわれは既に、第一世代薬とヒスタミンH1受容体の複合体の立体構造を決定し、その高い親和性と低い結合選択性の理由を解明した。本計画の目標は、第二世代薬とヒスタミンH1受容体の複合体の立体構造を決定し、第二世代抗薬の高い結合選択性と低い親和性の理由を解明することである。本年度は、昨年度までに選定していた安定なコンストラクトを用いて、第二世代薬とヒスタミンH1受容体の複合体の結晶化及び構造解析を行った。複合体作製を試みた第二世代薬は、分子内にカルボキシル基を持つオロパタジン、レボセチリジン、フェキソフェナジンなどである。これらの薬剤を可溶化の段階からヒスタミンH1受容体に結合させ、精製し、キュービックフェーズ法で結晶化した。その結果、結晶化を試みた全ての第二世代薬-ヒスタミンH1受容体複合体で、微小結晶を得ることに成功した。結晶サイズの改良を目指し、結晶化条件を検討した結果、レボセチリジンとの複合体で結晶サイズが大きくなった。そこで、レボセチリジンとの複合体の結晶をSPring-8で測定したところ、3オングストローム程度の反射が出ることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
親和性の低い第二世代薬との複合体の結晶化・データ収集にまで成功し、次年度は、構造解析や結果発表を行える目処がたったため。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集を完了させ、構造解析を完了させる。その後は、構造情報を用いてin silicoスクリーニング等を試みるほか、速やかに結果を発表する。また、他の第二世代薬との複合体の結晶化、結晶化条件の改良も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
入手可能な第二世代薬の種類が当初の予定より増え、より多くの薬剤を検討することが可能となった結果、計画より少数のコンストラクトの作製により安定化を達成できた。さらに、結晶化ロボットやクロマトグラフィーシステムの導入により、結晶化条件や結晶を大きくするための条件検討も効率良く行うことができ、精製や結晶化に必要な消耗品類を大幅に節約できた。 更に多くの薬剤との複合体の結晶化・構造解析を試みるとともに、市販されていない化合物の合成も行い、より多くの知見を得るための検討を行う。
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Research Products
(5 results)