2014 Fiscal Year Annual Research Report
リガンド依存的なNotchシグナルの活性化調節とその組織形成時の生理機能の解明
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24370080
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 素行 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20377906)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Notch / ゼブラフィッシュ / 発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
Notchシグナルは進化上保存された細胞間シグナル伝達経路であり、多様な組織の発生に関わっていることが知られている。特に、高等生物では、Notchリガンド、受容体の種類が増え、組織特異的、発達期特異的など、コンテクスト依存性機能の多様性増大が特徴的であるが、Notchシグナル機能の多様な生理機能とそれを担保する分子機構については、不明な点が多く残されている。 本研究では、1) Notchリガンド機能に焦点をあて、個体組織形成における未解明の生理機能を明らかにするため、脊髄V2神経の発生過程でV2細胞の運命決定に関わるdeltaリガンドの同定を行った。deltaA, deltaC, deltaD, delta4の任意の2つのdelta機能阻害を行い、V2神経運命決定表現型の解析結果、deltaA/Dの組み合わせでV2神経前駆細胞の維持に、deltaA/Cの組み合わせでV2神経細胞のV2a, V2bへの運命決定に関わることが明らかとなった。 2)“Notchリガンド活性”の調節機構の分子基盤を明らかにするため、Delta活性化に必要なモデルの解析を行った。Delta発現細胞表面に結合したNotch2FcのエンドサイトーシスがMib1ノックダウンで低下することを明らかにした。3)in vivoでの遺伝子機能を解析するため、ゼブラフィッシュをモデルとし、新たな機能解析手法として、BNAオリゴによるアンチセンス機能阻害法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物研究材料の確保が計画通りには進まなかったため、計画実験の遂行がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
Notchリガンド活性化のメカニズムをリガンドのユビキチン化に焦点を当てて解析する。Delta1にフォーカスし、Delta1のユビキチン化に関わるMind bomb1 (Mib1)ユビキチンリガーゼがDelta1のNotch2Fcとの結合によって生じるDelta1のendocytosisの作用メカニズムを分子レベルで解明する。さらに、Mib1ファミリー遺伝子Mib2の生理的機能の解明を行う。
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Causes of Carryover |
Jagged1ホモ変異体の作製と表現解析の結果、予想に反して発生初期での致死性を示さなかった。このため、発生後期、成魚まで生育させること、多数の個体を解析対象とした研究を実施する必要が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験に必要な物品費に相当する試薬費用や実験に用いるゼブラフィッシュの飼育費用、研究補助のための謝金、その他論文投稿料、英文校正料として使用する。
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Research Products
(7 results)