2013 Fiscal Year Annual Research Report
Cdk1リン酸化モチーフ(S/T-P)のM期制御における役割の解明
Project/Area Number |
24370083
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐方 功幸 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80142024)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 細胞周期 / M期 / Cdk1キナーゼ / リン酸化モチーフ / ツメガエル卵 / HeLa細胞 |
Research Abstract |
Cdk1(別称Cdc2)は、真核生物の細胞周期における分裂期(M期)の「マスター制御因子」とされ、様々なM期タンパク質の共通配列(Ser/Thr-Pro)をリン酸化し、多くのM期現象に関わっている。しかしながら、Cdk1がいかにしてM期の“マスター”制御因子として機能し得るのか、その分子的基盤は明らかではない。本年度は、「S/TPモチーフへの「M期キナーゼの結合」の一般性とその結合様式の解析」に関して以下の成果を得た。 1. これまでツメガエル卵抽出液を用いて、Emi2のS/TPモチーフにCdk1、Plk1、CK1のM期キナーゼが結合することを示してきたが、今回更に他のM期キナーゼ(Aurora-A、Chk1、CaMKIIなど)がEmi2のS/TPモチーフに結合することを見出した。 2. ツメガエル卵抽出液を用いて、Cdk1の基質であるCdk1活性化因子(Cdc25)およびCdk1不活性化因子(Wee1)のN末端調節領域に存在するS/TPモチーフがCdk1自身に強く結合する一方、他のM期キナーゼ(Plk1、Chk1など)に弱く結合することを示した。またCdc25、Wee1以外に、S/TPモチーフを多重に持つM期タンパク質であるCdc27(APC/Cの構成因子の1つ)やコンデンシンIIがS/TPモチーフを介してCdk1およびPlk1と有意に結合することが示された。 3. これまでEmi2で示されたように、各種M期キナーゼ(Cdk1、Plk1、Chk1など)の結合する基質の最適S/TPモチーフ配列は必ずしも同一ではなく、少しずつ異なることが示唆された。 以上の結果から、M期キナーゼとS/TPモチーフの結合の一般性、及びそれらの結合様式がかなり明らかにされた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」の通り、本年度の研究目的はほぼ達成され、おおむね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の進捗方策は、交付申請書に記した「研究目的」、「研究実施計画」の通りであり、研究計画の変更などはない。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「研究実績の概要」の3の継続実験と最終年度のために要する若干の人件費増額のために当該助成金が生じた。 次年度使用額150万のうち人件費に約50万円、継続実験に約100万円の使用予定である。また翌年度(最終年度)分としての120万円は当初の計画通りに使用する。
|
Research Products
(7 results)