2012 Fiscal Year Annual Research Report
倒伏に強い水稲多収品種開発のための強稈・多収遺伝子の生理機能の解明
Project/Area Number |
24380008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
大川 泰一郎 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (80213643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平沢 正 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30015119)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水稲 / 多収品種 / 強稈 / QTL / 遺伝子 / 皮層繊維組織 / リグニン / 細胞分裂 |
Research Abstract |
食用、飼料用、バイオエネルギー用など多用途の水稲多収品種を開発するためには、収量の向上と同時に強稈性の付与による倒伏抵抗性の向上が不可欠となる。強稈性は稈の太さ、強稈質によってもたらされ、稈、穂の形成過程の細胞分裂は,太稈、強稈化とともに籾数増加をもたらし,強稈、多収関連遺伝子や1つの遺伝子で太稈化、籾数増など多面的に発現する遺伝子が解明されれば、これらを集積する新しいアプローチによって効率的に収量ポテンシャルと倒伏抵抗性の飛躍的な向上が可能となる。本研究では、強稈性と多収性に関わる遺伝子座および原因遺伝子の特定とその生理機能を解明し、その集積により強稈性、多収性を改良することを本研究の目的とし、本年度は強稈性に関連する太稈、強稈質に関連する個々の形質のQTLとその生理機能の解析を行った。QTL領域が推定されている第1、2、3、5染色体の太稈QTLについて、それぞれの組換え固定系統を作出し候補領域の絞り込みを行った。第3、5染色体の太稈QTL領域を含む準同質遺伝子系統を用いてQTLの機能を検討した結果、稈の柔組織細胞の大きさではなく、細胞分裂の促進によって柔細胞数が増大することにより、太稈となることを明らかにした。強稈質に関わる第2,11染色体のQTLの候補領域の絞り込みを行い、第2染色体の候補領域にはリグニン合成酵素が含まれ、第11染色体には強稈質をもたらす皮層繊維組織の細胞層数を多くする効果があることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目的を達成するための研究計画通りに、研究実績が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に絞り込んだ太稈QTLと強稈質QTLの候補領域のファインマッピングを行い、それぞれのQTLの原因遺伝子を特定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に計画していた遺伝解析集団の解析の一部を平成25年度に行うことにしたため、物品費、謝金、研究打ち合わせ旅費の支出が当初の予定より少なくなったことにより次年度使用額が生じた。平成25年度に、遺伝解析集団の解析のための物品費、謝金、研究打ち合わせ旅費として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)