2012 Fiscal Year Annual Research Report
シー4作物における光合成能と窒素利用効率を制御する要因の解明
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24380010
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Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
上野 修 九州大学, 農学研究院, 教授 (70414886)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 光合成 / 窒素利用効率 / C4作物 / C4サブタイプ / アマランサス / ソルゴー |
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| Research Abstract |
1)アマランサス属C4植物における光合成能の種間差とその制御要因の解析
NAD-ME型の双子葉C4作物のアマランサスについて、光合成速度の種間差とそれを制御している要因、及び光合成窒素利用効率を調査した。アマランサス属12種20系統を夏期に野外でポット栽培し、光合成ガス交換特性、窒素含量、C3・C4光合成酵素の活性、並びに葉の気孔特性と内部構造を解析した。その結果、光合成速度(Pn)は19.7～40.5umol m-2 s-1の値を示し2.1倍の変異があることを見出した。また、Pnと気孔伝導度及びRubisco活性の間には高い正の相関があることを明らかにした。過去のイネ科植物のデータと比較すると、アマランサスの光合成窒素利用効率はイネ科NADP-ME型C4植物よりは低く、イネ科NAD-ME型C4植物に近い値を示すことを明らかにした。
2)ソルガムの葉の構造と機能特性に及ぼす窒素の影響
イネ科NADP-ME型C4作物のソルゴーの葉構造と光合成特性に及ぼす窒素施肥量の影響を調査した。その結果、葉内窒素含量と光合成ガス交換特性及びクロロフィル蛍光特性の間には高い正の相関があることを見出した。また、Pnと比葉面積との間にも正の相関が見られた。施肥窒素量の低下に対し、Rubisco活性よりもPEPC活性を抑制することが明らかとなった。一方、葉の光合成細胞は標準窒素区に比べ低窒素区で小型化したが、葉肉細胞(MC)と維管束鞘細胞(BSC)の断面積比、含まれる葉緑体の量比には両窒素区の間で違いはなかった。低窒素区では光合成細胞の細胞壁が厚くなり、特にこれはBSCで顕著であり、BSC内からのCO2の漏れを抑制する意義を持つものと考えられた。また、低窒素区の葉ではMCとBSC間の原形質連絡密度の低下が起こることを明らかにした。
以上の研究成果は、2013年3月に開催された日本作物学会で発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の計画として、アマランサス属C4植物における光合成能の種間差とその制御要因の解析のみを予定していたが、ソルガムの葉の構造と機能特性に及ぼす窒素の影響についても研究を進め、価値のある成果を得ることができたため。
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| Strategy for Future Research Activity |
イネ科C4作物における光合成窒素利用効串のグループ間差の解析、およびトウモロコシおける光合成能の品種間差の実態とそれを決定する要因の解析を進めて行く予定である。研究を遂行する上での問題等は特にない。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していたより少ない消耗品費で実験することができることが分かり、平成25年度に繰り越すことにした。平成25年度は多数の生理生化学的実験を予定しており、その消耗品費として有効に活用する。
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