2012 Fiscal Year Annual Research Report
ユリ属におけるゲノム研究基盤の構築と花色に関わる量的形質の解析
Project/Area Number |
24380014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山岸 真澄 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (40210348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 税 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (60281854)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ウイルスベクター / アントシアニン / カロテノイド / マイクロサテライト / 転写因子 |
Research Abstract |
本研究では、スカシユリやオリエンタルハイブリッドユリのゲノム研究基盤を構築して、複数の遺伝子に支配されている複雑な花色関連形質(花弁の白およびピンクの濃淡、など)の制御機構を分子レベルで解明する。 (1)遺伝子ノックアウトを行うためにウイルスベクターを用いた遺伝子サイレンシングの手法をユリで完成させる: これまでにコオニユリ(食用ユリ)からCMVをクローニングして塩基配列を決定し、ベクターに構築した。このベクターがユリに全身感染することを確認し、プロトタイプベクターの完成をみた。さらにこのベクターにユリのPDS遺伝子(カロテノイドを生合成する遺伝子で、この遺伝子がノックアウトされるとカロテノイドが欠損し、葉が白くなる)やCHS遺伝子(アントシアニン生合成のキイ酵素)を組み込んでユリに接種し、全身感染と遺伝子サイレンシングが起こることを確認しているところである。 (2)マイクロサテライトマーカーをユリで開発する:現在cDNAに由来するマイクロサテライトマーカーを得て、スカシユリやオリエンタルハイブリッドユリの品種間でどの程度の効率で多型が得られるか検討をすすめている。 (3)花色関連形質の解析:複雑な花色関連形質としてスカシユリ花弁に現れるしぶき斑点の分子メカニズムについて解析を進めている。24年度に、新規のMYB転写因子がこの形質を支配していることを明らかにした。ユリ花弁では複数のMYBが存在し、これらのMYBが空間的・時間的に異なる発現をすることにより、複雑な花の模様が生まれることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度にしてウイルスベクターのプロトタイプが完成したこと、マイクロサテライトマーカーの開発を始めたこと、花弁の模様が発生する分子メカニズムの解析が進んでいること、より、順調に進んでいると判断した
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Strategy for Future Research Activity |
順調に推移しているので当初の予定通り研究を進める。基金で残金が発生しているが誤差範囲であり、順調に執行していると考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に得られたマイクロサテライトマーカーを用いてユリ花色形質の遺伝分析を行う。特定された遺伝子の機能をウイルスベクターを用いて明らかにする。昨年度の基金で未使用金は消耗品として使用する。
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