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2012 Fiscal Year Annual Research Report

統合オミクス解析によるブドウの二次代謝産物蓄積機構のプロファイルと応用展開

Research Project

Project/Area Number 24380019
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

白武 勝裕  名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (90303586)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsブドウ / オミクス解析 / 二次代謝産物 / 培養細胞 / レスベラトロール / アントシアニン / トランスクリプトミクス / メタボロミクス
Research Abstract

本課題では,機能性が高い二次代謝産物を蓄積するブドウに焦点を当て,「統合オミクス解析」により二次代謝産物の合成・蓄積シスデムを明らかにするとともに,二次代謝産物合成の鍵遺伝子と未同定の輸送体の同定を目指している.平成24年度は計画に沿って以下の研究を実施した.
(1)ブドウへの二次代謝産物の誘導処理
ブドウの果実への紫外線照射とABA処理の条件検討を行い,トランスクリプトミクス用に処理1~5時間後,メタボロミクス用に24時間後にサンプリングすることが適切と判断し,果皮のサンプリングを行ったまた,成熟果実の果皮のサンプリングも行った,
(2)-トランスクリプトミクス(遺伝子発現)
各処理の果皮からBotBorate法によりRNAを抽出し,Agilent社のブドウマイクロアレイを用い,遺伝子発現をプロファイルした.その結果,ABA処理によって二次代謝関連の遺伝子発現は大きく変化しなかったが,紫外線照射区においてレスベラトロール合成に関わる遺伝子群が特異的に誘導されることが明らかになった.一方,成熟果実ではアントシアニン合成系の遺伝子の発現が高いことが示された.
(2)-2プロテオミクス(タンパク質発現)
ブドウ果皮よりタンパク質試料の抽出を試みたが,果皮に多量に含まれるワックス質が膜タンパク質の抽出と電位泳動を阻害することが明らかになった,抽出法に改良を重ねたが改善しないため,次年度以降は果皮ではなくブドウの培養細胞を用いることとした.
(2)-3メタボロミクス(代謝産物)
各処理の果皮から二次代謝産物をメタノール抽出し,LC-質量分析計(MS)により同定と定量を行った,その結果,紫外線照射区においてレスベラトロールが特異的に誘導されること,成熟果実でアントシアニンが高蓄積しているなどトランスクリプトームデータと対応する結果が得られ,それらの代謝中間産物のプロファイリングにも成功した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

『9.研究実績の概要』に記載の通り,平成24年度の当初計画のうち「(1)ブドウへの二次代謝産物の誘導処理」,「(2)-1トランスクリプトミクス」,「(2)-3メタボロミクス」のについては,当初計画通りに研究を遂行できた.一方,「(2)-2プロテオミクス」については,ブドウ果皮からのタンパク質の抽出と電位泳動が困難であることが分かり,次年度以降にブドウの培養細胞を用いた実験を実施することとした.

Strategy for Future Research Activity

前述のように「(2)-2プロテオミクス」以外は順調に進行しており,今後も計画通りに研究を実施する.理研バイオリソースセンターより『光によって高濃度にアントシアンを蓄積するブドウ培養細胞』を得ることができた.この細胞の活用は本プロジェクトの進展に大きく寄与するため,この細胞を用いて,平成24年度に実施できなかった「(2)-2プロテオミクス」を実施すると共に,当初計画に追加してこの培養細胞を用いたトランスクリプトミクスとメタボロミクスを実施する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

「(2)-2プロテオミクス」の遅れにより,その実験に使用する予定であった予算が『直接経費次年度使用額』として繰り越された,前述のように,この実験を平成25年度に実施予定であり,その実施経費として平成25年をに使用予定である.

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Rose phytoene desaturase gene silencing by apple latent spherical virus vectors2013

    • Author(s)
      Ito H., Ochiai, M., Kato, H., Shiratake, K., Takemoto, D., Otagaki, S. and Matsumoto S.
    • Journal Title

      HortScience

      Volume: 47 Pages: 1278-1282

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 果樹における遺伝子の機能解明No.8 : 大果枝変わり酉洋ナシの統合オミクス解析2012

    • Author(s)
      及川彰, 白武勝裕
    • Journal Title

      果実日本

      Volume: 67 Pages: 107-111

  • [Presentation] 実用化植物でのGO解析・パスウェイ解析用データベースの整備2013

    • Author(s)
      尾形善之, 櫻井望, 鈴木秀幸, 白武勝裕, 柴田大輔
    • Organizer
      日本植物生理学会年会
    • Place of Presentation
      岡山大学
    • Year and Date
      20130321-20130323
  • [Presentation] ブドウ懸濁培養細胞の増殖特性および光刺激による二次代謝産物蓄積の誘導2012

    • Author(s)
      阪本浩嗣, 太田垣駿吾, 松本省吾, 白武勝裕
    • Organizer
      園芸学会春季大会
    • Place of Presentation
      東京農工大学
    • Year and Date
      20120323-20130324

URL: 

Published: 2014-07-16  

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