2014 Fiscal Year Annual Research Report
大規模ゲノム情報と自殖F2集団を利用したナシ育種の効率化と新規優良品種の育成
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24380022
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
板井 章浩 鳥取大学, 農学部, 准教授 (10252876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 基一朗 鳥取大学, 農学部, 教授 (00183343)
村山 秀樹 山形大学, 農学部, 教授 (40230015)
山本 俊哉 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所, 上席研究員 (60355360)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マーカー育種 / 病害抵抗性 / 果実形質 / QTL解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ナシ自殖F2集団を材料にして、リンゴゲノム情報および次世代シーケンサーにより取得したニホンナシおよびセイヨウナシのESTおよびゲノム配列の大規模ゲノム情報を統合し病害抵抗、そして果実の単為結果性などの有用形質に関するマーカー開発を行い、育種現場で実際に適用し、新品種開発に役立てることを目的として実験を行った。今年度は、 ‘おさ二十世紀’X‘マックスレッドバートレット’のF2集団約100個体を用いて、集団で適応可能なそして17の染色体に偏ることなく存在している200以上のSSRマーカーの選抜を行い、これらを用いて、連鎖地図作成を行った。さらに、セイヨウナシBrown spot病罹病性およびニホンナシ赤星病のQTL解析を行った。結果、セイヨウナシBrown spot病罹病性については、F2集団で罹病性と抵抗性が3:1に分離し、罹病性が一対の優性の遺伝子に支配されていること明らかにした。さらに罹病性遺伝子座の座乗位置を明らかにすることができ、2つのSSRマーカー約3.5cMの位置まで絞ることが出来た。また赤星病についても抵抗性遺伝子座を明らかにすることが出来た。また黒星病抵抗性および赤色果色集団育成の為に‘おさ二十世紀’X‘紅梨’のF1および自殖F2集団作成に、今年度も継続して行った。またセイヨウナシは単為結果性を有するが、その形質をニホンナシに導入できれば受粉作業の省略や天候に左右されることがなくなる。そこで単為結果性の機能解明を目的として、単為結果処理区と非結実区において、RNA-seqシークエンス解析を行い、単為結果処理で増減する転写因子をコードする遺伝子を昨年に引き続き選抜し、発現が減少するファミリーの遺伝子と単為結果性の強い関連性を明らかにすることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
病害罹病に関する研究が進みつつあり、かつ選抜のマーカーの規模を拡張することができた。さらに新たに多数SNPなどのマーカーが得られ、より高密度な連鎖地図作成が可能になった。病害罹病性については、2年以内に遺伝子の同定も可能な状態にあると思われ、今後の研究進展が期待され、概ね順調であるる。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな集団を拡張するとともに、順調にすすんでいるマーカー開発については今後も精力的に進めて行く。いろんな形質についても,順次進めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
DNAマーカーのフラグメント解析に使用する予定であったが、予定したサンプル数よりも少なくなったことにより残金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度間に合わなかったQTLに利用するDNAマーカーのフラグメント解析に使用する予定である。
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Research Products
(12 results)