2012 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子変異検出法を活用したマウスの食餌性糖尿病および肥満遺伝子の同定
Project/Area Number |
24380068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀尾 文彦 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20165591)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 糖尿病遺伝子 / 肥満遺伝子 / マウス / 高脂肪食 |
Research Abstract |
申請者は、現在までにSM/JとA/J系統のゲノムに、糖尿病あるいは肥満を支配する遺伝子の存在領域を10箇所マップした。本研究では、両系統間の網羅的な遺伝子変異検出の結果を利用して各マップ領域内の候補遺伝子を選抜した上で、それらの遺伝子の作用を検証して糖尿病および肥満遺伝子として同定する。 平成24年度の実績 (1)SM/JとA/J系統のエキソン領域の塩基配列解読と、両系統間の遺伝子変異の検出 両系統のそれぞれのゲノムDNAを専用機器(Covaris)を用いて150~180bpに断片化し、そのDNAフラグメントの塩基配列を次世代シーケンサー(Life Technologies社,5500x1 SOLiD)にて解読した。この解読作業によってエキソン部分の配列が決定され、両系統間の遺伝子変異を検出した。 (2)両系統間の遺伝子変異の検出結果を利用した、糖尿病および肥満遺伝子の候補の選抜 両系統間で遺伝子変異(欠失、挿入、アミノ酸置換を伴う変異)が検出された遺伝子の内、10箇所のマップ領域内に存在する遺伝子を抽出した。第2番染色体の糖尿病遺伝子(T2dm2sa遺伝子座)の候補遺伝子としてRapgef4を選抜した。 (31両系統間で発現レベルの異なる遺伝子の検出結果を利用した、糖尿病および肥満遺伝子の候補の選抜全染色体において、両系統間で発現レベルの異なる遺伝子を選抜した。このSM/JとA/J系統間で発現レベルが異なる遺伝子の内、10箇所のマップ領域内に存在する遺伝子を抽出した。第12番染色体の脂肪肝遺伝子(Fllsa遺伝子座)の候補遺伝子としてIah1を選抜した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の実績により、10箇所のマップ領域のうちの2つの領域に存在する糖尿病遺伝子と脂肪肝遺伝子の候補遺伝子を選抜することができ、目標に達していると判断している。本研究での網羅的遺伝子変異検出法を用いなければこれらの選抜はできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
選抜した候補遺伝子の糖尿病関連機能と脂質代謝関連機能を証明する実験を、培養細胞系において集中して推進する。また一方で、平成24年度には候補遺伝子の選抜に至らなかった8箇所のマップ領域について、糖尿病あるいは肥満遺伝子の候補遺伝子の選抜を継続して行なう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の次世代シーケンサーによるエキソン配列の解読作業が極めて効率よく進んだことにより試薬代が節約でき、その費用を次年度の候補遺伝子の機能解析に充当することが可能となった。具体的には、T2dm2sa候補遺伝子の糖尿病関連機能と、Fllsa候補遺伝子の脂質代謝関連機能の解析に使用する。
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Research Products
(5 results)