2014 Fiscal Year Annual Research Report
人工林に残された保残帯の面積と配置がハナバチの送粉機能に与える効果の解明
Project/Area Number |
24380085
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
永光 輝義 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 室長 (30353791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 賢 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 主任研究員 (10353658)
滝 久智 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 主任研究員 (80598730)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生物多様性 / 送粉サービス / 森林の断片化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、木材生産をおこなう針葉樹人工林地域で広葉樹林を残すことによって効果的な生物多様性の保全を図るため、広葉樹林の面積と配置が花粉媒介(送粉)の機能に与える影響を明らかにすることを目的としている。すでに、ハナバチ類に送粉されるカスミザクラを材料として、面積と配置が異なる広葉樹林に残された母樹の結実と交配を比較した。 当該年度は、北茨城市と高萩市に設置した14ヵ所の調査地において、カスミザクラなどの樹木を送粉するツツハナバチの営巣と採餌のパフォーマンスを比較した。各調査地において、複数雄と12雌の繭を入れた120本の巣筒を4つ設置して、営巣させた。営巣した筒を調べ、巣数、巣あたり子の数、子あたり貯食(母蜂によって集められた花蜜と花粉)重量から総貯食重量(巣に蓄えられた餌量)を求めた。それらの営巣と採餌の変数が、調査地周囲の広葉樹林の面積と形状、調査地の森林組成と標高および地形に依存するかどうかを統計モデルを用いて解析した。その結果、巣場所の周囲50haの広葉樹林面積が小さいと、巣数と総貯食量が減少した。また、巣場所の周囲50haの広葉樹林の相対周囲長が長いと、子あたり貯食量が減少した。したがって、広葉樹林の面積の減少と形状の断片化がツツハナバチの営巣に負の効果を与えることがわかった。これらの結果は、人工林地域に残された広葉樹林が、樹木を送粉するハナバチ類の営巣と採餌を促進することを示している。よって、まとまった面積の広葉樹林の存在はハナバチ類の巣密度と訪花頻度を上昇させることで、送粉機能を高めることが示唆された。
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Research Progress Status |
平成26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
平成26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)