2012 Fiscal Year Annual Research Report
超分子構造を惹起するバイオマスハイブリッド材料の開発と新規機能開拓
Project/Area Number |
24380092
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上高原 浩 京都大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (10293911)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 義正 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (90280700)
吉永 新 京都大学, 農学研究科, 助教 (60273489)
高野 俊幸 京都大学, 農学研究科, 助教 (50335303)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | セルロース / ブロックコポリマー / バイオマス / 超分子 |
Research Abstract |
研究代表者らはこれまでに合成に成功しているゲル化能を有する両親媒性のジブロック型メチルセルロース水溶液のゲル構造を詳細に調べた結果、ゲル中で分子が自己組織化しナノリボン構造を形成していることを明らかにした。この成果は、セルロースなどのバイオマス材料の高度利用法の開発に向けて極めて意義深い. そこで、そのようなセルロース誘導体の簡便な調製法の確立を目指し、疎水性トリメチルセルロースと親水性セロオリゴ糖がトリアゾール環を介して1→4方向で結合したジブロック型メチルセルロース類縁体を合成した。得られたジブロック型メチルセルロース類縁体の2%水溶液は25℃付近でゲル化した。メチルセルロース類縁体であっても模倣したセルロース誘導体と同様のマクロな物性を示したことは、今後の新規バイオマスハイブリッド材料の開発に向けて重要な一歩である。 また、天然のセルロースから、7種の位置特異的メチル化セルロース誘導体のうちこれまでに調製の報告が無かった2-0-メチル-セルロースおよび3,6-ジ-0-メチル-セルロースという2種類を初めて合成することに成功した.天然セルロースから新しい誘導体を調製するために必要な汎用性の高い新たな合成法の確立は、セルロース科学分野において将来大きく貢献することが期待出来る。 さらに、カチオン性のアミノ基を有するリジンを導入したメチル化セロビオース誘導体を新規に合成した。次いで、本年度購入したナノスプレードライヤーを用いて疎水性量子ドットと複合化した。乾燥状態の粒子をFE-SEMにより観察し望みのサイズの粒子が調製出来る事、サブミクロンサイズの複合粒子を水中に分散出来る事を確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研費にて購入したナノスプレードライヤーを用いることにより、これまで達成できなかった疎水性化合物とのハイブリッド粒子をサブミクロンサイズで水中に分散させることに成功したことは、初年度の大きな目標であり研究上の大きな進展である。そのほか、ばらつきがあるもののH24年度に予定していた研究目標をおおむね達成できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究がおおむね順調にしているため次年度以降も当初の計画通り研究を推進する方針である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度に必要装置の導入が完了したため、次年度は主に日々の研究に必要な消耗品の購入費、および研究成果を広く社会にアピールするための学会参加費等に充当する予定である。
|
Research Products
(13 results)