2013 Fiscal Year Annual Research Report
フグ毒のMRI三次元イメージング動態解析とフグ毒化関連分子の解明
Project/Area Number |
24380116
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
長島 裕二 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (40180484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 慎 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 准教授 (30460497)
渡部 終五 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (40111489)
松本 拓也 県立広島大学, 生命環境学部, 助教 (30533400)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水産学 / 生体分子 / フグ / フグ毒 |
Research Abstract |
フグの毒化機構を、フグ毒テトロドトキシン(TTX)の体内動態と毒化に関与する機能性分子の観点から解明するため、以下の項目を実施した。 1)MRI三次元イメージング法によるTTXの体内動態解析:TTX動態を解析するため、高磁場MRI三次元イメージング法を開発し、トラフグに投与されたTTXの各組織への移動を三次元イメージングでとらえ、TTXが蓄積する組織を明らかにする。平成24~25年度において、無毒の養殖トラフグにTTX溶液を筋肉内に強制投与して、投与6時間後に水槽から取り上げたもの、同じく無毒の養殖トラフグにTTX溶液を筋肉内投与して4日間水槽で飼育したもの、TTX溶液の代わりに生理食塩水を筋肉内投与した対照区を用意して、それぞれ高磁場MRI三次元イメージングを行った。 2)フグ毒化関連分子の特定と機能解析:TTXの体内動態解析で顕著な変化がみられた組織を中心に、フグの毒化に関与する遺伝子とタンパク質を調べた。平成25年度は、養殖トラフグにTTXを投与し、TTX蓄積に伴い肝臓で発現する遺伝子をマイクロアレイ法で解析している。フグの毒化に関与するタンパク質については、ヒガンフグ卵巣とトラフグ肝臓からそれぞれフグ毒結合タンパク質を見出し、ヒガンフグ卵巣からフグ毒結合タンパク質を精製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、フグの毒化機構をフグ毒テトロドトキシン(TTX)の体内動態と毒化に関与する機能性分子の観点から解明することを目的としており、主に以下の項目について検討している。 1)MRI三次元イメージング法によるTTXの体内動態解析:TTX動態を解析するため、高磁場MRI三次元イメージング法を開発し、トラフグに投与されたTTXの各組織への移動を三次元イメージングでとらえ、TTXが蓄積する組織を明らかにするという目的に対し、これまで、無毒の養殖トラフグにTTX溶液を筋肉内に強制投与して、投与6時間後に水槽から取り上げたものと、同じく無毒の養殖トラフグにTTX溶液を筋肉内投与して水槽での飼育期間を4日間に延長したもの、そして、TTX溶液の代わりに生理食塩水を筋肉内投与した対照区を用意して、それぞれ高磁場MRI三次元イメージングを行い、現在これらの解析を行っている。 2)フグ毒化関連分子の特定と機能解析:TTXの体内動態解析で顕著な変化がみられた組織を中心に、フグの毒化に関与する遺伝子とタンパク質を調べるという目的に対し、遺伝子に関しては、養殖トラフグにTTXを投与し、TTX蓄積に伴い肝臓で発現する遺伝子をマイクロアレイ法で解析している。また、フグの毒化に関与するタンパク質については、TTXをリガンドとするTTXアフィニティー磁性ビーズの作製に苦慮しているが、クロマトグラフィー法で、ヒガンフグ卵巣とトラフグ肝臓からそれぞれフグ毒結合タンパク質を見出した。このうち、ヒガンフグ卵巣からフグ毒結合タンパク質を精製できた。フグ卵巣は肝臓と並んで高濃度のTTXを蓄積しているにもかかわらず、その毒化メカニズムについてはほとんど知見がなかったため、新たな展開が期待できる。以上の理由から、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
フグの毒化機構を、フグ毒テトロドトキシン(TTX)の体内動態と毒化に関与する機能性分子の観点から解明するため、引き続き、1)MRI三次元イメージング法によるTTXの体内動態解析と、2)フグ毒化関連分子の特定と機能解析を行う。 1)MRI三次元イメージング法によるTTXの体内動態解析では、TTXが検出された部位が魚体のどの部分にあたるかを把握するため、3Dカメラで魚体を撮影して、詳細なTTXの体内分布と蓄積部位を明らかにする。また、イメージングでの結果を検証するため、養殖トラフグにTTXを投与して、主に肝臓におけるTTXの蓄積および排泄機構を薬物動態学的に解析する。 2)フグ毒化関連分子の特定と機能解析では、天然の有毒フグや無毒の養殖フグにTTX動態を強制投与して人工的に毒化させるin vivoでの実験に加え、養殖トラフグの肝臓から作製した新鮮組織スライスを用いてトラフグ肝臓組織スライスのTTX毒化試験を行い、in vitroにおける毒化関連遺伝子の機能解析も行う。フグの毒化に関与するタンパク質については、ヒガンフグ卵巣で見出され、昨年度に精製できたフグ毒結合タンパク質の一次構造を解明する。あわせて、フグ毒結合タンパク質をコードするmRNAの体内分布を調べる。さらに、トラフグ肝臓中のTTX結合タンパク質についても検討を加える予定である。以上の結果を総括して、分子レベルでフグの毒化機構を考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
フグの毒化に関与するTTX結合タンパク質を効率的にスクリーニングするためのTTXアフィニティー磁性ビーズの作製が計画より遅れたため、次年度使用額が生じた。 昨年度、実施計画が遅れたフグの毒化に関与するTTX結合タンパク質を効率的にスクリーニングするためのTTXアフィニティー磁性ビーズの作製に使用する。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] DNA microarray analysis on gene candidates possibly related to tetrodotoxin accumulatuion in pufferfish2014
Author(s)
H. Feroudj, T. Matsumoto, Y. Korosu, G. Kaneko, H. Ushio, K. Suzuki, H. Kondo, I. Hirono, Y. Nagashima, S. Akimoto, K. Usui, S. Kinoshita, S. Asakawa, M. Kodama, S. Watabe
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Journal Title
Toxicon
Volume: 77
Pages: 68-72
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 海洋動物の毒2014
Author(s)
長島裕二
Organizer
第28回日本中毒学会東日本地方会
Place of Presentation
東京都港区
Year and Date
20140111-20140111
Invited
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