2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体物質の分布状態の可視化と定量を狙った蛍光指紋イメージング技術の開発
Project/Area Number |
24380141
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
杉山 純一 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所・食品工学研究領域, 上席研究員 (20353972)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔦 瑞樹 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品工学研究領域, 主幹研究員 (80425553)
荒木 徹也 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (40420228)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 蛍光指紋 / イメージング / 判別 / 主成分分析 |
Research Abstract |
励起光は、干渉フィルタが8枚装填できるファイバー型キセノン光源を2台用いた。2台使うことで16枚の干渉フィルタを励起光として使うことができ、また、紫外から可視域までの幅広い波長をカバーすることができる。実際には、2分岐ファイバを製作し、2台の光源を合流させ、ロッドレンズを用いて均一光を試料に照射する。PCで、2台の光源の干渉フィルタの制御を行いながら、順次、指定した波長の励起光を照射できる装置を開発した。一方で、観察側は、やはり、回転ホイール状の円板に干渉フィルタを8枚、または32枚を装着できる分光部と12ビットのモノクロデジタルカメラで蛍光画像を計測できる蛍光指紋イメージング装置を構築した。励起、蛍光(観察側)の両方で干渉フィルタによる分光を採用していることにより、非常に明るい蛍光画像が得られる。一方、励起、蛍光の選択波長が干渉フィルタの枚数で制限されるため、予めターゲットとする情報が得られる波長を選択することが必要となる。そこで、これらの情報は、市販の蛍光分光光度計により予備試験を行なって、あらかじめ必要な波長を決定することにより、イメージングに展開をすることを可能にした。また、最適な露光時間、焦点合わせ、装置関数等は事前に計測しておき、イメージング計測の際には、全て全自動で暗室状態にしてデータが取得できるようにした。対象物質にもよるが、1つのサンプル測定に、数十分の時間で計測が可能となった。これらをもとに、装置の性能を確認するために、小麦デンプン、米デンプン(うるち米由来)、米デンプン(もち米由来)を本イメージング装置で判別できるか実験を行った。上記の方法により選択された波長条件において、蛍光画像を測定し、画素毎に簡易蛍光指紋を再構築するとともに、主成分分析して、その第一主成分でもって可視化することにより、3種類のデンプンを明確に可視化判別することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
幅広い波長域の励起光を照射でき、また、その応答を十分な精度を持った蛍光画像として連続撮影出来る装置を構築した。また、その結果として、異種デンプンの違いも可視化できたことから、予定以上の進捗状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度で、類似物質の可視化もできたことから、若干予定を前倒し、判別精度の精緻化を進める。量が既知で類似物質が含まれたモデル試料を作成し、蛍光指紋により各物質の判別・統一カラースケーリングを行うアルゴリズムを開発する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題の推進のため、次年度の研究費は、交付金申請時の計画どおり使用する。なお、次年度使用額683,3801円は、研究費を効率的に使用して発生した残額であり、次年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のために使用する。
|