2013 Fiscal Year Annual Research Report
農耕地の土壌炭素貯留量推定とその変化予測手法の確立
Project/Area Number |
24380142
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
本郷 千春 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 准教授 (20272354)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 修 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (90355462)
若林 勝史 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (00502890)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 環境対応 |
Research Abstract |
土壌炭素貯留の現存量推定手法の精度向上を図るために、新たな調査地点を30地点程度追加し、各地点の深さ0~30cm土壌から試料を採取した。また、2013年5月に撮影されたSPOT6号の衛星データと表層土壌炭素量との関係式を用いて、対象地域全域について8m解像度で炭素量を推定しGISデータを併せてマップ化した。 また、深さ1m程度までの土壌断面調査を数箇所で行い、これらのサンプルから、容積重、土壌炭素濃度をそれぞれ分析し、各調査地点の土壌炭素貯留量(現存量)を算出した。この圃場断面調査を実施した圃場の畑作経営において、有機物投入の実態調査を行なった。調査経営では、テンサイ-バレイショ-コムギ-コムギ-マメ類の5年4作の輪作のもと、コムギ連作後にエンバク緑肥とバーク堆肥(約2t/10a)の鋤き込みが行なわれるとともに、コムギ以外の残渣が全て圃場に鋤き込まれていた。また、20年前より暗渠施工による排水改良が行われていたこと、約10年前に客土が実施されていたことが明らかになった。 以上の畑作経営の営農実態、および各作物の地域平均収量をベースに、改良版Roth-Cモデルを用いて土壌炭素量の推移をシミュレーションした。シミュレーション結果と現地における耕地/未耕地の断面調査データを比較したところ、調査地点によって推定値と実績値に異なる乖離が見られた。今後、全ての調査地点において、有機物投入実態調査を行ない、調査地点毎の推定を行なうことで予測精度の向上を図る予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
衛星データと現地調査データを用いて過去から現在までの炭素量を推定出来ていること、土壌断面調査や聞取り調査をベースにしてRoth-Cモデルを用いて土壌炭素量の推移をシミュレーションしたことから、研究は計画通りに進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
過去の衛星データを用いた土壌炭素量の推定精度を向上させ、2013年時点の炭素量との比較を行いその増減量を詳細に把握する。さらに、Roth-Cモデルによる土壌炭素量の推移をシミュレーション結果と実測値に乖離が見られたことから、その乖離幅を小さくするための手法を明らかにしていく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
衛星データの新規撮影リクエストを入れたが、良好な画像が取得できなかったので購入を断念した結果、次年度使用額が生じた。 旅費:400,000円(米国の国際会議について研究成果を発表) 謝金:1,100,000円(最終年度の研究とりまとめを行うために解析補助員が必要)
|