2012 Fiscal Year Annual Research Report
農産物の冷凍保存時の氷結晶粒変成計測に基づく組織軟化予測
Project/Area Number |
24380143
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
鈴木 徹 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (50206504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 知明 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (20293095)
則竹 寛子 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 特任助教 (20581440)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生体計測 / 農産物 / 凍結 / 氷結晶 / 粉末X線回折 |
Research Abstract |
農産物の凍結技術確立を目指し,凍結処理による農産物の組織軟化と氷結晶粒変成の関係を理解することを目的に平成24年度は計画にもとづき以下の検討を行なった. まず氷結晶粒の変成の直接計測法の確立のため,生鮮イチゴおよび、ニンジンを用いて従来法である凍結置換法により氷結晶粒のサイズを評価し,同時にPXRD測定、すなわち低温粉末X線回折測定法をもちいて直接氷結晶粒サイズの評価を試みた。具体的には以下の通りである。 1.凍結置換法による氷結晶粒の観察凍結置換法における氷結晶の間接的な観察を行った.凍結置換前処理の処理条件を確立するため,置換剤,置換期間・温度の検討を行い,農産物の凍結置換条件を検討した。その結果、イチゴにおいてはある程度組織内の氷結晶粒の観察が可能となり、光学顕微鏡にて氷結晶サイズ測定まで行うことができた。しかし、計画にあった置換効率の確認、速度の測定にはいたらなかった 2.PXRD測定による氷結晶の測定では、ニンジンの切り出し試料、すなわち固形試料を使用するため,まず最適な試料の厚みを探り、おおよその適切な厚みを決定した。その後,バルク水溶液では観察されないPXRD測定による明瞭な氷結晶粒のX線回折パターンが細胞組織において観察される原因を明らかにするため,細胞コンパートメントの有無との関連について検討を行った.しかし、また凍結保存において生鮮に近い品質を維持するに必要な四方晶型(Ic)の氷結晶の形成がみられるか,試料を脱水して検討することを計画したが、24年度では達成できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目的、計画にてらし、若干の取り残しはあるものの、おおよその内容の成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、24年度の残る課題を早急に解決するとともに、並行して当初の計画にもとづき25年度の氷結晶粒の変化をとらえることと、組織軟化現象の相関の把握を行う予定である。
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