2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規膜タンパク質ラベル法の会合状態解析への応用と高機能化
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24390009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松崎 勝巳 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (00201773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 義明 京都大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (60402799)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膜タンパク質 / オリゴマー化 / イメージング / クロスリンク |
Research Abstract |
会合の検出・解析:コイルドコイルラベル法で標識した生細胞膜タンパク質の会合状態を、スペクトル検出器を備えた共焦点顕微鏡でFRET解析する手法を用いて引き続き調べた。前年度までに明らかになっていたEGF受容体のEGF刺激による2量体化に関して、FRET色素ペアを変えて測定することで、受容体のN末端色素間距離が約56Åであること、過剰のEGF刺激時でも全体の70%程度の受容体しか会合体を形成しないことが明らかになった。2量体形成はリガンド刺激直後に開始し20秒程度で完了した。コレステロールやガングリオシド等の脂質がEGF受容体に結合し、リン酸化を阻害するとの報告があるため、これらが会合を抑制している可能性を調べたが、これらの脂質を減少させてもEFG刺激時の会合状態に大きな違いは見られなかった。一方EGF未処理の場合には両脂質を減少させると少し受容体会合が促進することがわかった。二量体化が最大値の50%まで進行するEGF濃度はリン酸化が50%進行する濃度よりも低かったことから低濃度EGF存在化ではリン酸可能を持たない二量体の存在が示唆された。 また、A型インフルエンザM2タンパク質の生細胞中での会合状態を調べ、中性pHでは2量体、酸性pHでは4量体を形成することが分かった。 共有結合化と超小型化:前年度までに調べたクロスリンク条件を用いて、グライコフォリンAの生細胞膜上でのクロスリンク化を検討した。FRET測定用に、テトラメチルローダミンおよびローダミングリーン標識プローブを合成した。両プローブとも、プローブを200 nMで2回処理する事で細胞膜標的タンパク質の90%程度をクロスリンクできる事が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、いくつかの膜タンパク質の会合状態、機能との関連の測定を進める事が出来ている。また共有結合化に関しても、標識条件を決定し、細胞膜上と可溶化状態での会合状態の比較が可能な段階に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きclass A GPCR、EGF受容体の会合状態、M2変異体の機能との関連を調べるとともに、クロスリンク体FRET測定により生細胞での会合状態とSDS-PAGEで見られる見かけ上の会合状態の比較を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬の予定納入価格と実際の納入価格に差が生じたため。 蛍光標識試薬、細胞培養関連試薬、遺伝子組み換え関連試薬、等の試薬や、HPLCカラム等の器具を購入する。
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