2012 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍内微小環境の能動的制御に基づく革新的DDSの開発とがん治療への展開
Project/Area Number |
24390010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 竜弘 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (50325271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
際田 弘志 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50120184)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ドラッグデリバリー / リポソーム / がん治療 / がん微小環境 |
Research Abstract |
ナノキャリアの腫瘍への移行はEPR効果によることが知られているが、EPR効果を利用したナノキャリアによるデリバリーには限界があり、腫瘍への到達率を向上する戦略の構築が求められている。本課題では、経口型抗がん剤を低用量で繰り返し投与して腫瘍内微小環境を能動的にコントロールし、キャリアに封入した抗がん剤やsiRNAの薬効を最大に発揮させる方法論の構築をめざし、検討を行っている。 平成24年度は、抗がん剤(オキサリプラチン;1-OHP)封入PEG修飾リポーム繰り返し投与時に腫瘍内で生ずる腫瘍内微小環境変化の誘導機構、生じた腫瘍内微小環境変化がEPR効果に与える影響、について詳細な検討を行りた。1-OH封入PEG修飾リポソーム投与後の腫瘍内の細胞死をTUNELL assayによって定量評価したところ、投与間隔が短いほど腫瘍内で細胞死が生じている事が明らかとなった。これは、EPR効果によって血管から漏出し、血管近傍に貯留された初回投与リポソームから放出された1-OHPによる細胞死が、次に投与されたリポソームの貯留スペースを拡大し、よりリポソームの貯留を促進し、これが繰り返される事によるものであると考えられた。血管近傍の細胞の死は、リポソームの貯留スペースの拡大だけではなく、増殖しているがん細胞による血管の圧迫も緩和する可能性があり、結果として併用投与される遊離型薬物の腫瘍移行性も高める可能性が高く、DDSを用いた今後の治療戦略を考えるうえで重要な知見が得られたものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、抗がん剤を含むナノキャリア(PEG修飾リボソーム)投与時の腫瘍内微小環境の変化に関して、定量的、定性的な評価を進めることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に沿って、研究を効率的に進める。
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Research Products
(12 results)